生薬名 | ソウジュツ |
生薬英名 | Atractylodes Lancea Rhizoma |
生薬ラテン名 | ATRACTYLODIS LANCEAE RHIZOMA |
生薬和名 | 蒼朮 |
基原植物 |
Atractylodes lancea De Candole (ホソバオケラ)
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部位 | 根茎 |
局方収載 | 局 |
食薬区分 | 専ら医薬品 |
生薬成分 | 精油:hinesol, β-eudesmol, elemol, atractylodin など
日本薬局方において,精油含量は0.7 ml/50 g と規定されている.精油の主成分はヒネソール,オイデスモール,アトラクチロディンなどである.各成分の含有量は,国内で保存されているサドオケラを含むホソバオケラ40系統について,ヒネソール0.52土0.59%,オイデスモール0.96土0.72%,アトラクチロディン0.25土0.12%であったという研究結果がある. |
成分(化合物) |
Atractylodin(アトラクチロジン)
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β-Eudesmol(β-オイデスモール)
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性状 | 蒼朮は不規則に屈曲した円柱形を呈し,長さ3~10 cm, 径1~2.5 cm, 外面は暗灰褐色~暗黄褐色である.横切面はほぼ円形で,淡褐色~赤褐色の分泌物による細点を認める.本品はしばしば白色綿状の結晶を析出する.本品は特異なにおいがあり,味はわずかに苦い.本品の横切面を検鏡するとき,周皮には石細胞を伴い,皮部の柔組織中には,通例,繊維束を欠き,放射組織の末端部には淡褐色~黄褐色の内容物を含む油室がある.木部は形成層に接して道管を囲んだ繊維束が放射状に配列し,髄及び放射組織中には皮部と同様な油室がある.柔細胞中にはイヌリンの球晶及びシュウ酸カルシウムの小針晶を含む. |
用途 | 健胃整腸,止寫,利尿,鎮痛 |
調製法 | 生育年次及び時期による成分量の変化は少ないという研究結果もあるが,研究の蓄積がほとんどないので,成分から見た収穫適期は決定しがたい.一方,根茎は茎葉が枯死するまで肥大を続けるので,栽培面からは,その頃が収穫適期であり,中国では地上部枯死から翌年萌芽までの期間に収穫している.わが国では現在のところ,株分け苗を利用するため,栽培地域での植え付け時期に合わせて収穫しなければならず,例えば北海道では10月上旬~中旬が限度であろう.
まず,茎葉を刈り取り,次いで,手掘りの場合には畑の一方からスコップまたは鍬で掘り起こして行く.機械で掘る場合は,デガーを利用すると良い.掘り上げた株は水洗後,天日または機械で乾燥するが,株が大きい場合は分割ないし切片にしても良い.乾燥の終わったものは,磨きをかけて根を除き,製品とする.
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エキス収率 | |
文献情報 | |
処方 | 原典で朮として配合されているもの・・桂枝加朮附湯,桂枝加苓朮附湯,茯苓飲加半夏
原典で蒼朮として配合されているもの・・加味平胃散,香砂平胃散,五積散,消風散,清湿化痰湯,
清上蠲痛湯,疎経活血等,治頭瘡一方,不換金正気散,平胃散,薏苡仁湯
原典で蒼朮・白朮の両方が配合されているもの・・胃苓湯,香砂養胃湯,実脾飲,二朮湯,半夏白朮天麻湯,分消湯,補気建中湯 |
モデル試料 8件 |
遺伝子情報 11件 |
日本薬局方情報 |
定量法
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確認試験法
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確認試験法(TLC)
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乾燥減量
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灰分
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酸不溶性灰分
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エキス含量
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精油含量
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純度試験
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その他
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NMR情報 2件 |
漢方処方情報 |
桂枝加朮附湯
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五苓散
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疎経活血湯
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生物活性情報 |
NO production inhibitory activity
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Oxygen radical absorption
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Erythrocyte method (Intracellular reactive oxygen species scavenging activity)
,
Amyloid beta cell death
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