薬用植物総合情報データベース

生薬詳細

生薬名ハンゲ
生薬英名Pinellia Tuber
生薬ラテン名PINELLIAE TUBER
生薬和名半夏
基原植物 Pinellia ternata Breitenb.(カラスビシャク)
部位コルク層を除いた塊茎
局方収載
食薬区分専ら医薬品
生薬成分えぐ味性刺激物質:homogentisic acid,homogentisic acid glucoside,3,4-dihydroxybenzaldehyde, 3,4-dihydroxybenzaldehyde diglucoside など     アルカロイド:l-ephedrine など  アミノ酸:arginine, aspartic acid, glutamic acid, serine, glycine その他:でんぷん,精油成分,β-sitosterol,palmitic acid など
成分(化合物)
性状やや偏圧された球形〜不整形を呈し,径0.7〜2.5 cm,高さ0.7〜1.5 cmである.外面は白色〜灰白黄色で,上部には茎の跡がくぼみとなり,その周辺には根の跡がくぼんだ細点となっている.質は充実する.切面は白色,紛質である.ほとんどにおいがなく,味は初めなく,やや粘液性で,後に強いえぐ味を残す.横切片を鏡検するとき,主としてでんぷん粒を充満した柔組織からなり,わずかにシュウ酸カルシウムの束晶を含む粘液細胞が認められる.でんぷん粒は主として2〜3個の複粒で,通例,径10〜15 μm,単晶は,通例,径3〜7 μmである.シュウ酸カルシウムの束晶は長さ25〜150 μmである.
用途鎮嘔,鎮吐,鎮静,去痰
調製法葉が黄色味を帯び始めた頃に収穫を開始する.収穫は鍬やスコップで地下部を浮かしてから塊茎を拾い集める.収穫時期が遅くなると剥皮が困難になる.収穫後塊茎を篩にかけ,生重2 g程度を基準として大塊茎と小塊茎に分け,大塊茎は生薬調製用に,小塊茎は種苗用にと選別する.収穫後は速やかに剥皮作業を行う.調製法は塊茎をイモを洗う要領で剥皮した後,1%の酢酸水溶液中に4〜6時間浸した後,流水でよく洗浄し乾燥する.乾燥は陽乾または30〜40℃の低温温風で行い,約1週間を要する.腐ったものや皮の残っているものは除去する.生薬として,内外面ともに白色で,粉性を呈し,質が充実したものがよい.
エキス収率
文献情報
処方温経湯,温胆湯,延年半夏湯,黄連湯,化食養脾湯,藿香正気散,加味温胆湯,乾姜人参半夏丸,甘草瀉心湯,堅中湯,香砂六君子湯,厚朴生姜半夏人参甘草湯,五積散,柴陥湯,柴胡加竜骨牡蛎湯,柴胡桂枝湯,柴芍六君子湯,柴朴湯(小柴胡合半夏厚朴湯),柴苓湯,生姜瀉心湯,小柴胡湯,小柴胡湯加桔梗石膏,小青竜湯,小青竜湯加石膏,小青竜湯合麻杏甘石湯,小半夏加茯苓湯,参蘇飲,清肌安蛔湯,清湿化痰湯,蘇子降気湯,大柴胡湯,大半夏湯,竹茹温胆湯,丁香柿蒂湯,釣藤散,当帰湯,二朮湯,二陳湯,麦門冬湯,半夏厚朴湯,半夏瀉心湯,半夏白朮天麻湯,不換金正気散,伏竜肝湯,茯苓飲加半夏,茯苓飲合半夏厚朴湯,抑肝散加陳皮半夏,六君子湯
モデル試料  21件
遺伝子情報  
日本薬局方情報 定量法
確認試験法
確認試験法(TLC)
乾燥減量
灰分
酸不溶性灰分
エキス含量
精油含量
純度試験
その他
NMR情報  
漢方処方情報 温経湯 , 柴胡加竜骨牡蛎湯 , 柴胡桂枝湯 , 柴朴湯 , 柴苓湯 , 小柴胡湯 , 小青竜湯 , 大柴胡湯 , 釣藤散 , 麦門冬湯 , 半夏厚朴湯 , 半夏瀉心湯 , 半夏白朮天麻湯 , 六君子湯
生物活性情報 Amyloid beta cell death