植物名 | ウラルカンゾウ |
ラテン名 | Glycyrrhiza uralensis Fisher |
種苗および品種 | 現在,登録品種は無いが,生育が早く多収性でグリチルリチン酸含量が2.5%以上の品種が求められる. |
繁殖 | 繁殖には種子もしくはストロンを用いる.種子繁殖は省力的であるが,遺伝的に固定された品種がない現状では変異が大きく,収量や品質が不安定である.一方,ストロン繁殖では,苗の作成や定植に労力を要するが,無性繁殖であることから収量や品質が比較的安定している. |
栽培適性 | ウラルカンゾウは中国(東北,華北,西北),モンゴル,ロシア,中央アジア等に,スペインカンゾウはエジプト,スペイン,イタリア,トルコ,イラン,イラク,中央アジア,中国(西北)等に自生している.半乾燥地の貧栄養,アルカリ性,塩類集積土壌に多く自生するが,砂土や火山灰土壌でも良好な生育を示し,生育適応土壌の範囲は広い.主根が地中深く伸長するため,膨軟で通気性・排水性が良好な土壌に適する.また,高温(約50℃)や土壌凍結(深さ80㎝以上)等の環境下でも生育が可能であることから,高いストレス耐性を持つ.一方,4年以上経過した株では発達したストロンが収穫や調製加工作業の障害となる.栽植密度が高くなるほど根がストロンよりも相対的に発達し,合計収量も向上することから,ある程度密植にすること,3年目までに収穫することが望ましい. |
播種,定植および育苗 | 種子繁殖ではプランター等を用いて株間10~20cm,畝幅60cmで10a当り400~500gを播種する.なお,種子は乾燥すると硬実性があるが,家庭用精米機等(胚芽米レベル)で硬実打破処理すると硫酸処理と同等の高い発芽率(80%以上)が簡易に得られる.ストロン繁殖では,2芽以上入るよう10~20cmに切断し,深さ5cm,株間20~50cm,畝幅60cmで定植する.苗の定植には野菜苗移植機の改良型が用いられる. |
肥料 | |
管理 | 中耕・除草は乗用管理機等で適宜行なう. |
病害虫駆除 | 生育期間中はハダニやアブラムシの発生が認められるが,北海道では顕著な病虫害はない. |
収穫・調製 | 播種またはストロン定植後3年目の落葉時に地上部を刈り取る(牧草収穫機の転用が可能).デガーの改良型等を用いて根とストロンを収穫後,それらを切断・分離し(ゴボウの切断に用いられる連続自動根切機等の転用が可能),高圧水による野菜洗浄機等で収穫物を洗浄する.その後,温風乾燥機等で乾燥する. |
収量 | 実生3年生における10a当りの乾物収量はストロン 300~500kg,根 300~400kgである. |
参考情報(生物活性) | |
参考情報(生物活性)ファイル | |
特性分類表  | |
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栽培暦  | |
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栽培方法関連データ  |
表題 | カンゾウの無機成分吸収量 |
関連データ種別 | 無機成分吸収量 |
画像、ファイル | カンゾウの無機成分吸収量.pdf |
概要 | 実生栽培によるウラルカンゾウの1~3年生における窒素,リン酸,カリウム,カルシウムおよびマグネシウムの吸収量 |
表題 | カンゾウの機械播種について |
関連データ種別 | 機械化情報1 定植、播種 |
画像、ファイル | カンゾウの機械播種について.pdf |
概要 | 4条式プランターを用いたカンゾウの機械播種の作業例 |
表題 | 種子の収穫と脱穀の機械化 |
関連データ種別 | その他情報 |
画像、ファイル | 種子の収穫と脱穀の機械化.pdf |
概要 | バインダーを用いた地上部の刈り取りと種子の脱穀に関する作業例 |
表題 | 参考文献 |
関連データ種別 | 文献情報 |
画像、ファイル | 参考文献.pdf |
概要 | 本内容に関する参考文献 |
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栽培方法関連写真データ  |
表題 | カンゾウの形態について |
画像 |  |
解説 | 直播栽培による3年生ウラルカンゾウにおける各部位の名称 |
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種子発芽情報データ  |
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備考 | |
備考ファイル | |