表題 | シャクヤク特性分類 |
画像、ファイル | シャクヤク特性分類.pdf |
備考 |
植物体栽培及び植物の効率的生産法
植物名 | シャクヤク | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ラテン名 | Paeonia lactiflora Pallas | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
種苗および品種 | 江戸時代に日本で育成された一連の品種群を和芍,ヨーロッパに渡って育成された後,日本に輸入された品種群を洋芍として区別しているが,洋芍にはオランダシャクヤクP.officinalis L.との交配種も混じっていることが考えられ,薬用種としては和芍が好ましい.奈良県大和地方には「ボンテン」と呼ばれている重弁白花青茎品種が古くから薬用品種として栽培され,今日まで伝承されている.薬用の品種は1996年に登録された「北宰相」のみである.本品種は実生苗5,000個体の集団から選抜によって育成されたもので,収量性が良く(10a当たり乾燥根重量,3年生,1,3t ;5年生,1,7〜2,3t),薬効成分の一つであるPaf(ペオニフロリン)含量が安定して高い(3年生,3.9%; 5年生,4.5〜4.8%)特徴をもっている.薬用の目的で栽培する場合,根の肥大をうながすために摘花作業を必要とするが,花芽の形成が著しく少なく,摘花作業がほぼ省略できる品種が現在育成されつつある. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
繁殖 | 実生または根茎.実生の場合,発根-低温経験-発芽となる.発根適温は20℃で,25℃になると高温障害のためが発根しない.温暖地ではとり播きが最も良く,遅くとも11月中旬までに播種すれば年内に発根し,越冬後発芽する.一方,寒冷地では直接苗床に播種せず,1年目は砂中に層積し,7,8月頃発根した種子を選別して苗床に播く.育苗期間を短縮するには,種子を砂に埋め20℃前後の場所に40日以上おいて発根させ,それに4℃-30日以上の低温処理を施すが,積雪下に埋めて春に播種する.1年生苗は小さいので,2年生苗を用いたほうが生育,収量とも良い.株分けについては,収穫した株がら根をすべてはずし,根茎を30~50gに分けて苗とする. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
栽培適性 | 低湿地や乾燥地を除けば寒暖いずれの地でも生育し,適応性は強いが,本種は元来寒冷地に自生する植物であり,また.薬効成分の一つであるPaf含量は寒冷地ほど高くなる事が報告されていることから,冷涼な地域の方が適している.秋に収穫,定植作業を行なうため,栽培適地として,秋に晴天日が続くことが求められる. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
播種,定植および育苗 | 根茎を30〜50 gに切断して行なう.苗は9〜10月に10a当たり2,500〜4,500株(1例,80〜100cm×50cm)の栽植密度で芽を上向きにして定植する. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
肥料 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
管理 | 中耕・除草は乗用管理機等で適宜行なう. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
病害虫駆除 | 病害は灰色かび病が最も被害の大きい病害で,葉に褐色の病斑ができ,拡大してその部分が枯れる.その他には斑葉病,さび病,うどんこ病がある.虫害ではコウモリガの幼虫が侵入して茎を倒す.また,ネコブセンチュウが寄生すると生育不良となる. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
収穫・調製 | 3年〜5年後の秋(暖地では10月中旬〜11月中旬,寒冷地では9月中旬〜10月上旬)に,茎葉を刈取り後.株を掘り起こす.機械で掘る場合は,トラクターに大型デガーを装着し,微速で掘り上げていく.掘り取った株は根茎から根をもぎ取り,根茎は苗に,根は薬用にする.もぎ取った根は乾燥しないように1ケ月間程度貯蔵しておき,回転箱などを用いて土砂を洗いながら周皮を除去する作業を行い,日陰乾燥させ,最後に50℃程度で温風乾燥する. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
収量 | 乾燥根収量は1.2〜2.0t/10a(栽培年数5年)である. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
参考情報(生物活性) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
参考情報(生物活性)ファイル | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
特性分類表 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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栽培暦 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
栽培方法関連データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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栽培方法関連写真データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
種子発芽情報データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
備考ファイル |