薬用植物総合情報データベース

植物体栽培及び植物の効率的生産法

植物名ゲンチアナ
ラテン名Gentiana lutea Linne
種苗および品種栽培品種・系統はなく,野生種が栽培されている.
繁殖通常,種子を用いる.
栽培適性冷涼地を好み,北海道・東北または高冷地に適する.特に,種子は発芽に低温要求性を有するので,冬期間-10℃以下になる地域が望ましい.ヨーロッパの自生地は主に石灰岩地帯で,一部花崗岩土壌もみられるが,土質への適応性は比較的大きいようである.耕土が深く有機質に富み,排水・保水の良い埴壌土~砂壌土が好ましい.
播種,定植および育苗直播栽培の播種期は8~9月.60 cm 間隔に浅く作条し,種子を1a当たり250 mL 条播する.播種後うすく覆土する.覆土の土壌は地表面に皮膜を形成しにくい育苗土や泥炭土・火山灰土が好ましい. 移植栽培は,幅100~120 cm の短冊形の苗床を設け,播き条を4本作条する.種子を10 ㎡に25 mL播き,直播と同様の覆土を行う.1年目は葉部の生育を促すため,寒冷紗などで軽度の遮光を行う.移植には1年生苗または2年生苗を用いる.秋植えは9月,春植えは融雪後なるべく早く移植する.ゲンチアナは発根するまでの期間が長いので,移植時に土壌水分が十分保たれている必要がある.苗は,根をできるだけ切らないように深く掘り取り,根を乾かさないようにして,移植べらでまっすぐ植えるか,畝を深く切り,斜め植えにする. 栽植密度は,栽植様式,栽培年数などによって変わってくるが,通常,畝幅60 cm,株間20 cmが適当である.
肥料
管理直播栽培において発芽後,間引きをする.初期の生育は極めて遅く,また,年数が経過するに従って欠株が増加するので,株間を1年目5 cm,2年目10 cm, 3年目20cmに調整する. 種子が非常に豊産であり,花が多い場合には小粒種子になりやすいので,採種株については摘花する. 生育が進んで根が地上部に露出するようになったら土寄せをする.
病害虫駆除ゲンチアナに近縁のリンドウの仲間では葉枯れ病,ウイルス病,ネマトーダ,立枯れ病などの発生が報告されている.ゲンチアナにもこれらの病虫害が発生するかどうかは,現時点では不明である.地上部が萎縮していくものと,初夏から夏にかけて葉のしおれる株があり,最も被害が大きいが,原因は明らかにされていない.
収穫・調製収量は10年生前後までは年々増加し続けるが,成分の含有量は5年生以上になると比較的安定してくる. 8~9月頃,人力または機械で収穫し,水洗してから茎葉を外す.調製法は使用目的によって異なり,ヨーロッパでは樽に入れて発酵させたり,長期にわたって自然乾燥している.生根をそのまま短期間に乾燥すると,香りがなく,苦味の強い白色の品物にでき上がる.輸入品と同等の生薬に仕上げる場合は,生根を20℃前後(~30℃),多湿条件下(温室内, 80%位)で20~30日間徐々に乾燥させながら発酵を促し,それが終わった頃(芳香と淡い褐色)を見計らい,天日または60℃以下の温風で仕上げ乾燥を行う.
収量乾物収量は10a当たり3年生85 kg, 5年生550 kg, 9年生1,550 kg程度である.
参考情報(生物活性)
参考情報(生物活性)ファイル
特性分類表 
表題
画像、ファイル
備考
栽培暦 
表題
画像、ファイル
備考
栽培方法関連データ 
栽培方法関連写真データ 
表題ゲンチアナの種子
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解説

表題ゲンチアナの移植苗
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解説

表題ゲンチアナの萌芽初期
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解説

表題ゲンチアナの萌芽後期
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解説

表題ゲンチアナの生育盛期
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表題ゲンチアナの開花期
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解説

表題ゲンチアナの花
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解説

表題ゲンチアナの結実期
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解説

表題収穫物
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解説

表題生薬
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解説
種子発芽情報データ 
備考
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