薬用植物総合情報データベース

植物体栽培及び植物の効率的生産法

植物名ウイキョウ
ラテン名Foeniculum vulgar Miller
種苗および品種在来種が用いられる.
繁殖種子(植物学上は分果)を用いる.
栽培適性生育適応土壌は広い.排水良好で耕土の深い地に適する.春に圃場に播種して間引きを行って栽培する直播法と,ポットなどへ播種して苗を育て初夏に圃場へ定植する移植栽培法がある.
播種,定植および育苗種子の発芽適温は15~25℃である.直播栽培においては,暖地では3月下旬~4月上旬,寒冷地では5月上旬~下旬に行う.整地が終わった圃場に,条間80~100cm,株間75~100cmに点潘し(10a当たり1,250~1,333株),薄く覆土する.10日~2週間で発芽が始まる. 寒冷地では,4月上旬にポットなどへ播種して加温ハウスで苗を育成し,5月中旬~6月上旬に圃場に定植すれば1年目秋に収穫が可能になる.
肥料
管理直播栽培においては,1年目の発芽後,密生した所を適宜間引きし,6月下旬~7月上旬までに所定の株間にする.適宜,除草中耕を行う.
病害虫駆除生育期間を通じ,キアゲハの幼虫による葉の食害があるが,著しい被害とはならない.結実期にアカスジカメムシによる果実の吸汁害がみられる.病害については,特に重篤な病気は認められない.
収穫・調製寒冷地においては1年目では10月中旬~下旬,2年目以降は8月下旬~9月中旬から,緑色の果実が成熟し,黄緑色に変わり始めた頃に順次採取する.東京都小平市での事例では,1年目では9月下旬~11月上旬,2年目以降は7月中旬~9月中旬に順次採取する.採取した果実は天日乾燥するか風通しの良い日陰で速やかに乾燥する. 北海道名寄市の事例では,果実は登熟日数の経過とともに順次緑色から黄緑色,黄褐色に変わり,開花後51~55日目では約50%の果実(分果)が黄褐色となり,60日目以降ほぼ完全に褐色となる.これに伴い,精油含量も緩やかに低下する傾向があり,したがって,開花後50日目程度が好ましい. 生薬としては,緑色を帯び香りが強く,やや甘味のあるものが良品とされる.
収量北海道名寄市の事例では,乾燥果実の10a当たりの収量は1年生10~25kg,2~3年生80~100kg程度であるが,札幌市の事例では,1年生29.9kg,2年生285.7kg,東京都小平市での事例では,1年生61kg,2年生320kg,三重県の事例では2年生で423kgという報告もある. 種子の精油及びアネトール含量は,暖地ほど高くなる傾向が認められている. 株が古くなると収量が低下するので,6年目を目安に株の更新を行う.
参考情報(生物活性)
参考情報(生物活性)ファイル
特性分類表 
表題
画像、ファイル
備考
栽培暦 
表題
画像、ファイル
備考
栽培方法関連データ 
栽培方法関連写真データ 
表題ウイキョウの種子(植物学上は分果)
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解説

表題1年目生育初期(5月下旬圃場へ定植直後)
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解説

表題1年目生育中期(7月上旬)
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解説

表題1年目生育盛期(8月上旬)
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表題2年目萌芽期(5月下旬)
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解説

表題2年目生育盛期(7月上旬)
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表題2年目開花期(8月上旬)
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解説

表題ウイキョウの花
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解説

表題生薬
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解説
種子発芽情報データ 
備考
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