植物名 | ガジュツ |
ラテン名 | Curcuma zedoaria (Christ.) Roscoe |
種苗および品種 | 在来種が栽培されている。 |
繁殖 | 根茎(種イモ)を用いる。わが国では結実が見られず、繁殖はすべて栄養繁殖による。大きい種イモを使用したほうが良質で高収量が期待できるが、実際栽培においては1個の重量が50~70gの大きさで、卵形または勾玉状のものが適している。できれば種イモ生産のための専用圃場を設けることが望ましい。
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栽培適性 | 熱帯植物であるため、生育期間中は高温多湿を好み、昼夜の温度差の少ない地域に適し、夏季の乾燥は生育を極度に阻害するため適度の雨量が好ましい。冬季の雨量は特に影響はないが、度々の降霜、降雪、あるいは気温が氷点下に下がるような場合は根茎が凍死するため冷涼地には適さない。このようなことを考え合わせると、わが国では西南暖地の無霜地帯が栽培適地といえる。土質への適応性は極めて広いが、表土が深く有機質に富み、排水・保水が良好で肥沃な埴壌土が好ましい。極端な陰地でなければ施肥管理により十分対処できる。
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播種,定植および育苗 | 植え付け:植え付け時期は栽培地の気象、立地条件、栽培方法や前作物の収穫時期などにより一概に決定できない。薩南諸島の栽培地においては、根茎収量の点からは4月上旬から5月上旬までの植え付けで良いが、乾物率を考慮すると4月植えが望ましい。
種イモは、50~70g以上のものを10a当り5,000個~5,500個植え付ける。密植することにより単位面積当りの根茎個数が増加するが、原料根茎1個重はそれほど小さくならない特性を示し、原料根茎収量は多肥・密植栽培で増収する。
植え付け密度は、畦幅90 cm x株間20~25 cm とし、基準施肥量(三要素量)を5割増施することが収益性を高めるうえで効果的である。種イモは20~25 cm と深植えすることにより原料根茎が長くなり、原料根茎1個重が増大し増収となる。
植え付け方向は、種イモの両側の芽を水平にし、種イモが条溝に直角になるようにしたほうが多収穫が得られる。
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肥料 | |
管理 | 6月に除草、深い中耕、追肥、培土を行い、7月に除草、追肥、培土を行い、根を切るおそれのある中耕は避ける。ガジュツは過湿には強いが、生長期の乾燥には弱いため過乾時には潅漑が必要である。
2回目の培土後に、畦間や株間に生堆肥・藁・刈草などでマルチングをすることは、土地の乾燥を防ぎ、雑草の発生を防止するうえで効果的である。
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病害虫駆除 | 収量に悪影響をおよぼすような害虫は極めて少ないが、サツマイモの後作として植え付ける場合に、ネコブセンチュウ・ネグサレセンチュウが根に寄生し、根茎の肥大を阻害することがある。有害センチュウの棲息密度を低下させる輪作体系を組むことが最も効果的である。
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収穫・調製 | 環境によっても異なるが、茎葉は10月上旬頃から黄化を始め、11月上旬頃から倒伏・枯死していく。降霜地においては、根茎が霜害・寒害を受けると腐り、種用に貯蔵しても腐敗を免れないため、降霜前に収穫しなければならない。
収穫した根茎は根を丁寧に除去した後、水洗し、湯通しして陽乾するか、水洗後外皮を去り、湯通しせず厚さ5mm程度に輪切りにして乾燥する。
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収量 | 目標収量は10 a当たり、根茎生重量3.000 kg であるが、栽培条件、生育状況による幅が大きく、普通栽培では植え付け重量の4~8倍の収量がある。
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参考情報(生物活性) | |
参考情報(生物活性)ファイル | |
特性分類表 | |
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栽培暦 | |
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栽培方法関連データ |
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栽培方法関連写真データ |
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種子発芽情報データ |
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備考 | |
備考ファイル | |