薬用植物総合情報データベース

植物体栽培及び植物の効率的生産法

植物名カギカズラ
ラテン名Uncaria rhynchophylla (Miq.) Miq.
種苗および品種特に栽培品種・系統はない。
繁殖栄養繁殖として挿し木(茎・根)が可能である。有性繁殖として種子による実生の方法がある。
栽培適性西南暖地で排水が良く、保水性のある腐植質に富んだ肥沃な土壌に適し、壌土~埴土いずれの土壌条件でも栽培は可能である。
播種,定植および育苗茎挿しは、3月に若い株の主茎あるいは分枝を用い、2~6節を有する挿し穂を作り、水揚げの後、挿し床へ挿す。発根率は分枝のほうが良い。 根挿しは、3月に若い株の根を用い、挿し床に挿す。根の長さは20 cm以上のほうが萌芽率が高い。  茎挿し、根挿しのいずれとも2~3箇月後に発根、萌芽する。  種子繁殖を行うには、12月下旬~1月下旬に果実を採集する。貯蔵はそのままの形で低温乾燥条件下で行い、播種は1~2月に加温条件下で行う。種子は1年で発芽能力を失う。やや未熟と思われるような緑色果の種子も良く発芽し、発芽率はむしろ褐色果の種子より高い。播種床にはピートバンが適しており、播種量は45 cm x 35 cm 当たり萌果3.2 gから得られる種子0.5 g (約20,000粒)くらいが適当であると思われる。発芽適温は25~35℃で、発芽まで35日くらいである。覆土はしない。 以上,いずれの繁殖方法とも遮光率20%で、ミスト潅水装置付きの育苗温室で管理するのが望ましい。 育苗:挿し木苗は、植え付け時の植傷みを避けるため、5~6月に排水・保水性の良い培養土を用いた6号鉢に移植する。9月には圃場に植え付けできる。  実生苗も同様で、いったん4月下旬~5月下旬に3.5号鉢に移植し、8月に培養土を用いた6号鉢に移植する。10月には圃場に植え付けできる。 植え付け:植え付けには排水、保水性の良い、肥沃な土壌で、遮光率40%くらいの場所が適する。栽植密度は条間2.8 m X 株間1.5 mくらいが適している。乾燥防止のため株元に敷きわらなどを施すと良い。      
肥料
管理
病害虫駆除アブラムシが見られることがある。
収穫・調製11月~12月に株の地上50 cm くらいで切断し、収穫する。本植物は萌芽力が著しく、12月に地上部を収穫しても翌年再萌芽し、その年の末には再び収穫することができる。年々増収する傾向が見られ、この特性を利用して毎年収穫することが可能である。  かぎの付いている枝を集め、葉を取り去り、かぎの付いた節間で切る。これを60℃で一昼夜乾燥して仕上げる。市場では茎の部分の少ないかぎ状のとげが良品とされるので、できるだけ茎の部分を少なくする。   
収量圃場へ植え付け後毎年収穫して、5年目に約25 kg である。
参考情報(生物活性)
参考情報(生物活性)ファイル
特性分類表 
栽培暦 
栽培方法関連データ 
栽培方法関連写真データ 
種子発芽情報データ 
備考
備考ファイル