薬用植物総合情報データベース

植物体栽培及び植物の効率的生産法

植物名インドジャボク
ラテン名Rauwolfia serpentina Benth. ex Kurz
種苗および品種在来種が栽培されている。
繁殖種子、株分け、取り木、挿し木(茎挿し、根挿し)の方法があり、実生によるのが最もよい。よく結実するため種子も多量に生産でき、播種から育苗までの管理方法も他の繁殖法よりも簡便である。
栽培適性高温多湿条件下で良い生育をする。高温条件下での環境適応性は大ではあるが、停滞水や夏期の乾燥の生育に与える影響は大きい。このことから、表土が深く有機質に富み、排水、保水が良好で肥沃な土壌が適している。冬期の最低気温は-2~-3℃が限界であり、これ以下の場合地下部まで枯死する。生育期間のことを考慮すると、わが国では西南暖地の無霜地帯が栽培適地といえる。
播種,定植および育苗発芽は高温条件下(27~30℃)で良好であリ、低温下での播種は好ましくない。播種後、約3週間で発芽する。 栽培法:栽培法は直播栽培と移植栽培があリ、いずれの場合も畑地は事前に土壌センチュウの密度を低減させる処置を講じておくことが肝要である。 (1)直播栽培:冬期の傷みが少ない温暖な地域、暖地で採種量の多い地域に適した方法で、移植法と比較し、労力・諸経費の点からも有利である。  播種期は日平均気温20°C(5月上旬~中旬)頃に行う。条間約60 cm の作条とし、基肥を施し覆土鎮圧する。条播または最終株間15 cm となる程度の点播とし、覆土は5 mm程度とする。生育期間中、数回液肥を施し、生育促進を図る。生育の良い株では夏から秋には開花するが、株の充実を図るため摘蕾する。幼苗は寒さに弱いため、1年目の間引きは行わない。 (2)移植栽培:冬期に傷みが出る地域、十分な種子量の確保が困難な場合に取られる方法である。移植用の苗は、通常、ビニールハウス内で播種・育苗される。  移植時期は晩春から夏の生育期間中と早春の発芽前の落葉状態の時期の双方がある。幼苗は寒害を受けやすいため、冬期の傷みが少ない地域では晩春から夏の生育期でもよいが、それ以外の地域と苗の生育が遅れている場合は、発芽前の落葉期が無難である.  生育期の移植では、過度に生育状態が進んでいる場合、植傷みが生じやすい。このため、その地域の梅雨の頃の空中湿度が高く、土壌水分が豊富な時期に移植期を合わせるよう育苗することが望ましい。移植苗は高さ約15 cm、本葉8枚位の状態のものが適している。  本圃は、まず堆肥を10a当たり1,000 kg 前後を散布し、整地する。条間60 cmの作条の溝を切り基肥を施し、覆土し、株間15~20 cm、深さ15 cm 位の植え穴を掘り、まっすぐに植え付ける。
肥料
管理直播栽培の場合、間引きは段階的に行う。また、いずれの栽培法とも欠株が生じた場合、直ちに補植する。夏期の乾燥防止にはマルチングが効果的である。     
病害虫駆除ネコブセンチュウによる被害がある。地力が高い場合は被害は軽減されるが、著しい場合は根全体がこぶ状を呈し、生育が阻害され減収する。生育期間が長い植物であるため、播種や定植前に土壌消毒による駆除を行うか、前作にセンチュウ密度を低下させる作物を取り入れるなどの工夫が必要である。  カイガラムシによる地上部の寄生が見られ、それに伴いすす病の発生がある。著しい場合は、生育が抑制される。夏期の乾燥期にアカダ二の発生を見ることがあり、著しい場合は落葉する。
収穫・調製収穫量及びアルカロイド含量などから、3~4年で収穫するのが経済的かつ有利である。収穫時期は根の肥大生長期を過ぎ、生育が停止する落葉期が適している。収穫した根は水洗し、土砂を落とし、地上部を切除し十分乾燥する。    採種:夏から秋に黒熟した果実を採集し、水洗しつつ果皮・果肉を除去する。日干しした種子は、ポリ袋などに入れ、冷蔵庫に保存する。
収量10 a当たりの乾燥重量は3年生で270 kg程度である。
参考情報(生物活性)
参考情報(生物活性)ファイル
特性分類表 
栽培暦 
栽培方法関連データ 
栽培方法関連写真データ 
種子発芽情報データ 
備考
備考ファイル