植物名 | オミナエシ |
ラテン名 | Patrinia scabiosaefolia Fisch. |
種苗および品種 | 薬用として育成されたものはないが、花卉用として、矮性、斑入り、花期による極早生・早生・中生・晩生などの園芸品種や系統がある。 |
繁殖 | 実生、株分け、挿し芽の方法がある。
株分け法は苗の確保が大量にできないこと、作業が繁雑であること、抽苔しやすく、収量が劣り、品質にばらつきが大きいなどの理由で、生薬生産としては勧められない。
実生では、量の確保が容易であり、播種1年苗は抽苔しないこと、生育・品質が揃うなどの長所がある。 |
栽培適性 | 自然分布がアジア東部の広域に見られるように、冷涼地〜温暖地の広い地域での栽培が可能である。自生地の状況からも、日当たりが良く、排水良好な場所に適している。 |
播種,定植および育苗 | 播種は3月中旬〜4月上旬のソメイヨシノの開花が終了する頃が適している。種子(植物学上は果実)は細かいため、覆土は種子が隠れる程度の厚さとする。定植時の植え傷みを軽減する目的で、本葉4〜5枚の頃、2号程度のポリポットなどに移植し、育苗を行う。
定植:実生苗は、梅雨の前か期間中の本葉8枚の頃、根を傷めないように本圃に定植する。
株分けによる株の分割は2月下旬〜3月下旬の芽が動く前に行い、定植する。苗は芽の小さいものを用いるか、芽の大きい苗の場合は、茎を切除することにより抽苔を回避できる。
栽植密度は条間60〜70 cm、株間25〜35 cmを標準とする。 |
肥料 | |
管理 | 敷き藁は雑草の発生の抑制、夏季に乾燥する土質の場所などに有効である。 |
病害虫駆除 | 特に重篤なものはないが、オモナエシ半身萎凋病が知られている。病気か生理的要因かは不明であるが、抽苔した株はしばしば枯死や生育不良となる状況が観察されている。 |
収穫・調製 | 地上部が枯死した冬季〜早春に掘り取り、地上部(茎や葉など)を除去し、水洗により土砂を除去し、天日にて速やかに乾燥する。乾燥中、雨などに当たると変色やカビの原因となるため注意する。十分乾燥すると細根が折れやすいため、取り扱いに注意する。土砂・雑草などの夾雑物を取り除き、生薬とする。
採種法・種苗の調製と貯蔵:果序の大部分が熟した9月中旬〜11月下旬頃、採種する。果実はあまり遅くなると飛散し、質も低下する。採種した果実は、速やかに乾燥を行い、冷暗所で乾燥貯蔵する。
採種用の苗は、冬季に積雪のある地域ではそのままでよいが、凍上するような地域では藁・籾殻・草などによりマルチングを行う。貯蔵場所を変えるため掘り上げる場合、株を傷めないようにし、分割せずに移動し、防寒対策を行う。定植する場合、活動が始まる前の早春に分割し、採種用の苗は茎が太く、芽の大きいものを用いる。 |
収量 | 実生1年生株の10 a当たりの推定収量は乾燥重で300〜450 kgである。株分け栽培では150〜370 kgである。 |
参考情報(生物活性) | |
参考情報(生物活性)ファイル | |
特性分類表 | |
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栽培暦 | |
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栽培方法関連データ |
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栽培方法関連写真データ |
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種子発芽情報データ |
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備考 | |
備考ファイル | |