薬用植物総合情報データベース

植物体栽培及び植物の効率的生産法

植物名ミシマサイコ
ラテン名Bupleurum falcatum L.
種苗および品種在米種が栽培されている.
繁殖種子を用いる.
栽培適性関東以西の山地あるいは丘陵地の草地に自生し,土質は排水のよい埴壌土ないし砂壌土が適している.
播種,定植および育苗春播きでの播種期は関東地方では3月中旬~4月上旬であるが,暖地では半月ほど早くなる.播種量は10a当り約1 kg ( 2 L)を標準とする. 500gでも十分な量ではある が,あまり薄播きにすると十分な株数を確保できないことがあるため,やや厚播きし,後に間引きを行うほうが無難である. 種子は条播し,約5mmの覆土をして軽く鎮圧する.もみがら,切りわら等を散布して乾燥を防ぐとよい.
肥料
管理発芽は普通播種後約1ヵ月で始まり,発芽が完了するまで2週間近くかかる.このため,生育初期の雑草防除が肝要で,適宜除草に努める. 葉長が3cm程に伸びた頃から,密生している所を2~3回にわたり間引きを行い,株間5~10cmの千鳥状にする.また,除草の際,追肥,中耕も兼ねて行う.管理作業は茎が伸びてくると行いにくく,夏の高温,乾燥時はかえって害になるので,梅雨の明ける頃までに行う.
病害虫駆除根の病害には根朽病があり,これはPhoma terrestris, Fusarium oxysporum, Phomopsis sp.などの複合感染によるものとみられており,地際の根頭部に褐色~黒褐色のやや凹入した病斑を生じ,次第に根全体に拡がり乾腐する.地上部の主要な病害には炭そ病がある.抽苔の開始頃より発生し,先端部,茎,分枝が黒変枯死する.軽症時には根に対する影響は少ないが,発病が甚大な時には根の生育が劣り, 採取用株では採取が皆無となる.病害にはほかにPhomopsis属菌による葉枯れ病や白絹病,マイコプラズマによるとみられる黄化萎縮病がある.これらの対策としては連作を避け,排水の良い土地を選び,肥料は有機質肥料を主体にして化成肥料特に窒素肥料の多用を避ける.
収穫・調製従来2~3年生根を収穫するといわれていたが,現在ではほとんど1年生収穫である.収穫は降霜後の11月から2月頃まで可能で,方法は地上5cm前後で地上部を刈り取って地下部を掘り採る.地下部は水洗し,根についた茎を切り落とし,陽乾する.調製は根は頭部についた茎の部分及びヒゲ根を取り除き,形を整える.ヒゲ根は半乾燥時に根をもむと根を折らずに容易に取り除くことができる.調製した根は,乾燥した涼しい場所に貯蔵する.
収量収量は約30~50kgであるが, 栽培条件,生育状況等により幅が大きく,1年生で80~90kgの成績もみられる.
参考情報(生物活性)
参考情報(生物活性)ファイル
特性分類表 
表題ミシマサイコの特性分類表
画像、ファイル ミシマサイコ(特性分類表).pdf
備考
栽培暦 
表題
画像、ファイル
備考

表題ミシマサイコの栽培暦
画像、ファイル ミシマサイコ(栽培暦).pdf
備考
栽培方法関連データ 
栽培方法関連写真データ 
表題ミシマサイコの種子
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解説

表題ミシマサイコの生育初期(遠景)
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解説

表題ミシマサイコの生育初期(近景)
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解説

表題ミシマサイコの生育盛期
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解説

表題ミシマサイコの花
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解説

表題収穫物の乾燥
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解説

表題生薬
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解説
種子発芽情報データ 
備考
備考ファイル