植物名 | ヒキオコシ |
ラテン名 | Plectranthus japonicus (Burm. fil.) Koidzumi |
種苗および品種 | ヒキオコシのほか、日本海側では別種のクロバナヒキオコシの生産がある。それぞれの種は在来種であり、特定の品種ではない。
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繁殖 | 株分け、挿し木、種子の方法がある。 |
栽培適性 | 全国で栽培可能と思われるが、生育期間が長い関東以西の地域が適している。また、夏季の乾燥は生育を阻害するため、適度の降雨があることが好ましい。
土壌への適応性は広いが、栽培しつつ収穫も行うため、表土が深く有機質に富み、排水・保水が良好で肥沃な土壌が適している。
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播種,定植および育苗 | 株分けでは、作業の繁雑さ、個体数確保の困難さが件う。繁殖期間は晩秋か晩冬~春に限定されるが、冬季に凍上しやすい地方では春の方が良い。適地では初年度から生育旺盛で、年2回の収穫が可能である。
挿し木では、作業の繁雑さはあるものの、同一形質株(クローン株)の相当数の確保が可能である。繁殖期間は伸長生長期間中の春~夏に、茎の硬化が進んでいない新梢部分が発根良好である。古い部分では発根不良や不揃い、遅れなどのため、挿し木には不適である。挿し床は川砂・赤玉土・パーミキュライト等が良く、箱挿しまたは床挿しをする。挿し穂は2節以上で10~15 cm が良く、節部のすぐ下で切り、下部の葉は除去し、残りの葉の大きなものは葉先の1/3~1/2を切除する。挿し穂は数時間水揚げした後、案内棒で挿し床に穴を空け、1/3程度を挿し、周囲の土を押さえ、充分灌水したのち、しばらくの間半日陰で管理する。10日~2週間で発根する。
種子繁殖では、入手が困難なこと、育苗の繁雑さ、初期生育の遅れ、個体の形質のばらつき、生育初期の気象の影響が大であること等が考慮される。しかし、大量増殖が可能であり、種子の運搬は容易で、圃場の状況に応じた播種期の設定(播種期間が春~初秋と長く、加温条件下では冬でも可能である)が可能である。
直播法と移植法があるが、移植法が一般的である。直播法では、多量の種子を必要とし、生育むらが生じやすく、間引き等の手間を要す。
定植時の植え傷みを緩和するため、生育状況をみてポリポットに移植し、定植に備える。
植え付け:定植する圃場には十分な堆肥と少量の緩効性肥料を混入する。栽植密度は条間80~90 cm,、株間40~50 cm で1ヵ所数株を植える。植え付け後は、乾燥・泥はね防止のため敷き藁をする。早く(6月まで)定植すれば、年内に1回の収穫が可能である。
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肥料 | |
管理 | 夏季の乾燥期の灌水は効果的である。 |
病害虫駆除 | 重篤な病害はそれほどないが、茎への穿孔虫の侵入やガの幼虫による食害を受けることがある。
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収穫・調製 | 収穫は晴天の日を選ぷ。1年目は、株分け栽培では夏と秋の2回、挿し木繁殖と種子繁殖では初秋頃1回の収穫が可能である。2年目はどの方法も同様で、1回目は7月上旬~8月上旬に地上部の数節を残して収穫し、2回目は9月下旬~10月中旬の開花の初期に葉がついている節から上を刈り取る。
収穫後、天日・陰千しいずれでも良いが、素早く乾燥することが大切で、仕上げには天日または機械で充分乾燥し、吸湿しないように貯蔵する。
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収量 | 乾燥収量は肥沃地で10 a当たり、1回目は400~450 kg、2回目は250~350 kg である。年1回の収穫では350~500 kg である。地力が低い場合や生育期間中の過度の乾燥では、収量が減少する。草勢は次第に衰えるため、4~5年で植え替えた方が良い。
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参考情報(生物活性) | |
参考情報(生物活性)ファイル | |
特性分類表 | |
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栽培暦 | |
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栽培方法関連データ |
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栽培方法関連写真データ |
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種子発芽情報データ |
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備考 | |
備考ファイル | |