植物名 | サンショウ |
ラテン名 | Zanthoxylum piperitum (L.) DC. |
種苗および品種 | 剌なし系統のアサクラザンショウ(青芽系統)が栽培されている。このほかに、アサクラザンショウから派生したと思われる、果皮が厚く豊産性のブドウザンショウが栽培されている。
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繁殖 | 接ぎ木による栄養繁殖。サンショウは変異性が強く、実生の場合は系統を維持できないため、優良系統を接ぎ木により繁殖する。
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栽培適性 | 気温は温かい方が良い。また、夏期に乾燥する地域には適さない。 |
播種,定植および育苗 | 台木の育成:台木には、サンショウ、フユザンショウ(Z. armatum DC. var. subtrifoliatum Kitamura)、イヌザンショウ(Fagara mantchurica Honda)の実生1年生株を用いる。保存しておいた種子を、3月上旬に苗床に条間10 cm で播種する。発芽したら、株間10 cm 程度に間引きを行い育苗する。夏期には乾燥を防ぐために敷き藁を施す。生育が良けれぽ、翌春には台木として使用できる。フユザンショウ、イヌザンショウの台木は、サンショウに比べ生育は遅いが、根が深いため樹としての寿命は長くなる。また、連作障害が軽減されるともいわれている。
接ぎ木:香りが良く豊産性の親株より、2~3芽のついた10 cm 程度の枝を採取し、接ぎ穂とする。春接ぎの場合は、3月上旬までに接ぎ穂を準備し、3月上旬~下旬に接ぎ木を行う。秋接ぎの場合は、9月上旬から接ぎ穂を準備し、9月下旬までに接ぎ
木を行う(接ぎ穂を保存する場合は、乾燥を避けて5~10℃に保つ)。接ぎ穂と台木の形成層を密着させ、テープで固定する。
定植:秋定植は葉が落ちてから、春定植は萌芽前に行う(暖地の場合は秋定植)。サンショウは連作を嫌う性質があるので、前作の場所から離すようにする。予め4 m間隔で、径1 m、深さ80 cm の穴を掘り、1穴当たりに完熟堆肥4 kg、苦土石灰1 kg、乾燥鶏糞2 kgを施した後、定植する。結実を促進するために、20本当たりに雄株1本程度を定植する。
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肥料 | |
管理 | 夏場に乾燥するようであれば、寒冷紗などにより遮光を行う。12月~翌年2月にかけての休眠期に、混んだ枝の剪定を行う。ただし、切り過ぎは樹を傷めるので注意が必要である。また、枝を四方に広がるように誘引し、定植後3年で樹形を整えることで、その後の収穫作業が行いやすくなる。
成り疲れを防ぐ目的で、5月上旬に3~5割程度を摘果する。この時期のものであれぽ、青果として出荷できる。
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病害虫駆除 | 立枯病、さび病、ハダニ類(ミカンハダ二が主)の他アブラムシ等の害といった、ミカン果樹に類似したものがあらわれる。
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収穫・調製 | 乾燥果実としての収穫は定植5年目以降より行えるが、7~13年目が最盛期と考えられる。寿命の長いものは50年に達するが、栽培の経済寿命は15年前後と思われる。7月中旬~8月下旬にかけて果実が色づいた頃に収穫する。収穫後、ムシロの上に広げて天日千しするか、50℃程度で機械乾燥する。乾燥途中で分果が開裂し種子がこぽれる。
採種:秋に完熟した種子を採取する。乾燥すると発芽率が悪くなるので、5倍量程の砂に混ぜて地中に保存する。
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収量 | 1本当たり(10年株)乾燥果実で、3~3.5 kg。 |
参考情報(生物活性) | |
参考情報(生物活性)ファイル | |
特性分類表 | |
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栽培暦 | |
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栽培方法関連データ |
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栽培方法関連写真データ |
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種子発芽情報データ |
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備考 | |
備考ファイル | |