各種試験法詳細
生薬名 | ブシ |
試験名称 | 純度試験 |
分析条件 | (1) 重金属〈1.07〉 本品の粉末3.0gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0mLを加える(10ppm以下). (2) ヒ素〈1.11〉 本品の粉末0.40gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う(5ppm以下). (3) ブシジエステルアルカロイド(アコニチン,ジェサコニチン,ヒパコニチン及びメサコニチン) 本品の粉末約0.5gを精密に量り,共栓遠心沈殿管に入れ,水3.0mLを加えてよく振り混ぜた後,アンモニア試液1.0mL及びジエチルエーテル20mLを加えて30分間振り混ぜ,遠心分離し,上澄液を分取する.残留物はアンモニア試液1.0mL及びジエチルエーテル20mLを用いて,更にこの操作を2回行う.全抽出液を合わせ,40℃以下で溶媒を減圧留去した後,残留物にブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)10mLを正確に加えて溶かし,この液を遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.試料溶液及び純度試験用ブシジエステルアルカロイド混合標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のアコニチン,ジェサコニチン,ヒパコニチン及びメサコニチンに対応する各ピーク高さ,HTA及びHSA,HTJ及びHSJ,HTH及びHSH,HTM及びHSMを測定する.次式により換算した生薬の乾燥物1gに対し,アコニチン,ジェサコニチン,ヒパコニチン及びメサコニチンの量を求めるとき,それぞれ60μg以下,60μg以下,280μg以下及び140μg以下で,更にこれら4成分の総量は450μg以下である. アコニチン(C34H47NO11)の量(μg) =CSA/M × HTA/HSA × 10 ジェサコニチン(C35H49NO12)の量(μg) =CSJ/M × HTJ/HSJ × 10 ヒパコニチン(C33H45NO10)の量(μg) =CSH/M × HTH/HSH × 10 メサコニチン(C33H45NO11)の量(μg) =CSM/M × HTM/HSM × 10 CSA:純度試験用ブシジエステルアルカロイド混合標準溶液中の純度試験用アコニチンの濃度(μg/mL) CSJ:純度試験用ブシジエステルアルカロイド混合標準溶液中の純度試験用ジェサコニチンの濃度(μg/mL) CSH:純度試験用ブシジエステルアルカロイド混合標準溶液中の純度試験用ヒパコニチンの濃度(μg/mL) CSM:純度試験用ブシジエステルアルカロイド混合標準溶液中の純度試験用メサコニチンの濃度(μg/mL) M:乾燥物に換算した本品の秤取量(g) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:アコニチン,ヒパコニチン及びメサコニチンは231nm,ジェサコニチンは254nm) カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:ブシ用リン酸塩緩衝液/テトラヒドロフラン混液(183:17) 流量:メサコニチンの保持時間が約31分になるように調整する. システム適合性 システムの性能:純度試験用ブシジエステルアルカロイド混合標準溶液20μLにつき,検出器の測定波長を254nmとし,上記の条件で操作するとき,メサコニチン,ヒパコニチン,アコニチン,ジェサコニチンの順に溶出し,それぞれの分離度は1.5以上である. システムの再現性:純度試験用ブシジエステルアルカロイド混合標準溶液1mLをとり,ブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)を加えて10mLとする.この液20μLにつき,検出器の測定波長を231nmとし,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,メサコニチンのピーク高さの相対標準偏差は1.5%以下である. |
備考 |