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組織培養物及び効率的増殖法_文献

植物名コガネバナ
ラテン名Scutellaria baicalensis Georgi
文献コードScutellaria_baicalensis-Ref-1
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年)Li H et al, Plant Cell, Tissue and Organ Culture, 62: 169-173 (2000)
要約(和訳)中医学で様々な慢性の病気の治療に用いられるコガネバナ(Scutellaria baicalensis)の効率的な増殖法を開発したので報告する.Thidiazuron (TDZ)は,コガネバナの完全実生,伸長した胚軸の切片,無菌植物の茎切片からのシュート分化に効果的であった.胚軸切片又は節切片の組織学的観察により,不定芽形成は,カルスを経由していることが明らかとなった.3種の組織片でのTDZが誘発するシュート分化を比較したところ,最適な再分化効率のためには,外植片の切り出しは不要であることが示された.切り出された胚軸切片(9.7シュート/外植片)よりもそのままの実生の胚軸(20シュート/外植片)の方が非常に多くのシュートが分化し,このことは,隣接する組織で産生された内在性の代謝物がシュート誘発のための材料となっていることを示唆している.95%以上の再分化シュートが発根し,無菌培養系あるいは温室条件下で植物体が得られた.この研究で開発した再分化手法は,薬理活性をもつ成分の同定を通したこの作物の改良の基盤を提供し,最終的には最適化した医療用製品の開発に役立つであろう.
目的圴一で,有害生物の混入や病気がないコガネバナの大量増殖法の確立
材料(品種,系統,産地,由来)種子(Richter's Herb's Inc., Goodwiid, ON Canadaより入手)
外植片種子
初期培養種子を95%エタノールで30秒,1.5%次亜塩素酸ナトリウム液(Tween20 2滴/100 ml)で18分間殺菌後,滅菌水で3回洗浄し,Murashige and Skoog塩類 + Gamborg B5ビタミン類,3%ショ糖含有培地(MSO)固形培地(25 ml/Petri dishes,0.3% gellan gumで固化)に置床し,24℃,16時間照明(30-35µmol/㎡/S)下で培養.培養7日間で95%が発芽.
シュート増殖殺菌した種子をthidiazuron (TDZ) 0, 2.5, 5.0, 7.5, 10.0又は20.0 µmol L-1及びPlant Preservative Mixture (PPM, Plant Cell Technology Inc., Washinton DC) 4 ml L-1を添加したMSO固形培地に置床し,24℃,16時間照明(30-35µmol/㎡/S)下で培養し,14日後にシュート再分化を観察.2.5μmol L-1 TDZを添加した区で1実生あたり平均19本のシュートが形成.一方,TDZ無添加では平均2本のシュートが形成.TDZ 2.5μmol L-1以上の濃度では有意なシュート数増加は認められない.
発根培養2ヶ月後,再生したシュートを切り取り,MSO液体,半固形培地あるいは滅菌したpeat pellets (Premier Brands Inc. Stratford, ON, Canada)に移植し発根率を測定.いずれも95%以上が発根し,植物体が再生.
馴化条件滅菌したpeat pelletで1ヶ月間培養して発根した幼植物をmisiting-bed systemに移し,通常の温室で2週間馴化.
鉢上げ・定植馴化後の植物体をgreenhouse soil mixture (Promix BX, Plant Products, Brampton, ON, Canada)に植え替え,温室環境で維持栽培.
栽培条件通常の温室環境で栽培.
再生植物体の形質通常の温室環境で正常に生育.
分析した成分
成分の抽出法
分析法
備考