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組織培養物及び効率的増殖法_文献

植物名シャクヤク
ラテン名Paeonia lactiflora Pallas
文献コードPaeonia_lactiflora-Ref-10
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年)Kakutani K, Jpn. Kokai Tokkyo Koho (2009), JP 2009232691 A 20091015.
要約(和訳)課題:薬用として優れた品種であるが,雄性不稔のため種子繁殖ができない大和シャク ヤクの組織培養法に関するものであり,大和シャクヤクの大量生産に繋がる方法を提供す ることを目的とする.解決手段:大和シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas var. trichocarpa Bunge)の根茎の生長点の組織培養において,低酸素条件下にて培養することにより培養物の褐変化を抑制することができ,さらに培地の鉄分としてキレート鉄を用いることが,培養物の褐変化抑制には効果的であることを見出すとともに,大和シャクヤクの生長点からシュート形成させ,発根させるための好適条件などを提供する.
目的薬用として優れた品種であるが,雄性不稔のため種子繁殖ができない大和シャク ヤクの組織培養法に関するものであり,大和シャクヤクの大量生産に繋がる方法を提供す ることを目的とする.
材料(品種,系統,産地,由来)大和シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas var. trichocarpa Bunge)
外植片根茎に形成された生長点組織(約0.5-1.5 cm)
初期培養大和シャクヤク根茎に形成された生長点組織(約0.5-1.5 cm)を摘出し,水道水で洗浄後,70%エタノール溶液で30秒,1%次亜塩素酸ナトリウム(0.1%Tween20を含む)溶液で20分間滅菌,滅菌水で数回洗浄後,生長点の周りに形成された葉をメスで切り取り,0.25%ゲルライトと植物ホルモンを含むMurashige and Skoog (MS)培地又はMS培地改変培地(MS培地成分のFeSO4・7H2O及びEDTA・2NaをFeNaEDTAに換えたもの)に置床し,25℃,16時間光照射(8時間暗条件)下で1ヶ月間培養.植物ホルモンとして,サイトカイニンであるベンジルアデニン(BAP)又はチジズロン(TDZ)を1 mg/L,ジベレリン(GA)を1 mg/L添加した.酸素及び二酸化炭素濃度は,5%酸素と5%二酸化炭素,ならびに対照区として23%酸素と0.034%二酸化炭素を設けた.その結果,低酸素条件及び25 µM FeEDTAが最も良い結果が得られた.
シュート増殖酸素と二酸化炭素濃度を,それぞれ5%と5%ならびに10%と5%に調製した雰囲気下にて,滅菌した生長点を0.25%のゲルライトと植物ホルモンを含むMS改変培地に置床し,25℃,16時間光照射(8時間暗条件)下で1ヶ月間培養した.植物ホルモンは,BAP又はTDZを1 mg/Lを添加し,休眠打破のため,GAを1 mg/L添加した.いずれも褐変を起こさず,5%酸素と5%二酸化炭素では平均草丈6.3 cm,10%酸素と5%二酸化炭素では平均草丈4.5 cmのシュートが得られた.
発根低酸素条件(5%酸素,5%二酸化炭素)で,インドール酢酸(IAA)を1 mg/L添加した1/2MS改変培地に得られたシュートを移植し,14日間培養すると褐変化せずに発根が誘導され,植物体が得られた.
馴化条件
鉢上げ・定植
栽培条件
再生植物体の形質
分析した成分
成分の抽出法
分析法
備考