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組織培養物及び効率的増殖法_文献

植物名オタネニンジン
ラテン名Panax ginseng C. A. Mey.
文献コードPanax_ginseng-Ref-10
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年)久保ら、第10回植物組織培養シンポジウム講演要旨集、1Cp-3、p.84、1987.
要約(和訳)組織培養の技術を利用して、品質の安定した薬効成分を多量に産出するオタネニンジンの大量増殖を可能にする栄養繁殖法を確立する目的で、の根由来カルスからの植物体再生について研究を行なったので報告する
目的オタネニンジンの大量増殖を可能にする栄養繁殖法の確立
材料(品種,系統,産地,由来)富山県薬用植物指導センターで栽培しているオタネニンジン
外植片オタネニンジンの根をコルクボーラーで打ち抜き、2-3 mmの厚さにメスで切断した円板状の切片
初期培養根の切片を2,4-Dおよびkinetinの0、0.1、1.0、10 mg/Lを組合わせて添加したMS培地に置床し、25℃、明所で6週間培養を行なった結果、2,4-Dおよびkinetin各1.0 mg/Lの組合わせ添加区のカルス形成が最も良好であった。
シュート増殖2,4-D 1.0 mg/L添加区で誘導したカルスは、最初は淡白色の柔らかいカルスであったが、6週間毎に約1年間継代を繰り返したところ、不定胚と思われる黄色の部分が次第に認められるようになった。得られた不定胚を植物生長調節物質無添加のMS液体培地に移植し、回転振とう培養(110-115 rpm)または往復振とう培養(110-130往復/分)の条件で3週間培養して不定胚を増殖させた。増殖させた不定胚は、無機塩濃度を1/2および1/4としたMS培地にGA 1.0、5.0 mg/LおよびBA 0、0.1、1.0、10 mg/Lを組合わせて添加し、茎葉の分化を検討したところ、GA 1.0 mg/L、BA 0.1 mg/Lを添加した1/2MS培地が最も良好であった。
発根茎葉分化と同時に発根するものも一部認められたが、茎葉分化のみにとどまるものが大部分であった。そこで、茎葉分化した個体の発根について検討した。0.1、1.0、10 mg/LのIBA、NAAおよびIAA添加培地で8週間培養したところ、NAA添加区は全ての個体が発根し、特にNAA 1.0 mg/Lでは良好な結果が得られた。これらの幼植物は土壌へ移植し栽培中である。今回の増殖法の確立により、大量のオタネニンジンを得ることが可能であることがわかった。
馴化条件
鉢上げ・定植
栽培条件
再生植物体の形質
分析した成分
成分の抽出法
分析法
備考