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組織培養物及び効率的増殖法_文献

植物名ヒロハセネガ
ラテン名Polygala senega L. var. latifolia Torr. et A. Gray
文献コードPolygala_senega-Ref-1
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年)久保義博、村上守一、寺西雅弘、吉田幸雄、日本生薬学会第35回年会講演要旨集、A-1、p.1、1988.
要約(和訳)ヒロハセネガは根を生薬として用い、去痰、鎮咳薬として国内で安定した需要があり、かつ、日本では数少ない輸出生薬の一つとして、ヨーロッパ方面に多量に輸出されているにもかかわらず、本植物の組織培養に関する研究がみられないのは言うまでもなく、栽培法すらいまだに確立されていない。このような現状から、今回、組織培養の技術を利用して、品質の安定した薬効成分を多量に産生するヒロハセネガの大量増殖を可能にする栄養繁殖法を確立する目的で、芽生の下胚軸由来カルスから植物体再生について研究を行ったので報告する。
目的ヒロハセネガの大量増殖を可能にする栄養繁殖法の確立
材料(品種,系統,産地,由来)富山県薬用植物指導センターのヒロハセネガ
外植片富山県薬用植物指導センターで採取したヒロハセネガの種子
初期培養種子を滅菌し、十分に熟成させるために、5℃、暗所で2ヶ月間、低温処理した後、25℃明所で培養した。培養5日目の芽生の下胚軸をメスで5-7 mmの長さに切断した切片を2,4-DとKinetinおよびNAAとBAの組み合わせ添加MS固形培地(以降、特別な記載がない限り3%ショ糖)に置床し、2ヶ月間培養を行って結果、NAA 0.5 mg/L + BA 1 mg/L添加区のカルス形成が最も良好であった。
シュート増殖誘導したカルスをNAA 0.2 mg/L + BA0.5 mg/L添加MS固形培地に移植したところ、2ヶ月後に不定胚の形成が認められた。生じた不定胚をカルスから切り離さずに、同一組成の新しい固形培地で3週間培養、又は液体培地へ移植して2週間振とう培養(110-120 rpm)することによっても不定胚の増殖が確認された。増殖した不定胚をNAA 0.1 mg/L + BA 0.2 mg/L添加MS固形培地に移植したところ、1ヶ月後に茎葉の分化が観察された。
発根十分に茎葉分化させた個体をカルスから切り離してホルモン無添加のMS固形培地に移植させたところ、約1ヶ月後に発根し、幼植物体に生育した。この様な幼植物体を正常な植物体に生長させるため、MS基本培地の濃度とショ糖濃度の希釈を検討したところ、基本培地濃度を1/5にショ糖濃度を0.5%に低下させた時、最も正常な植物体に生長した。これらの再生植物体は土壌へ移植し栽培中である。
馴化条件
鉢上げ・定植
栽培条件
再生植物体の形質不定胚より再生した幼植物体を薄層クロマトグラフィーを用いた分析にょり栽培品と比較検討したところ、定性的にはほぼ類似したパターンが得られた。
分析した成分
成分の抽出法
分析法
備考