植物名 | ショウガ |
ラテン名 | Zingiber officinale Roscoe |
文献コード | Zingiber_officinale-Ref-7 |
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年) | Swarnathilaka D.B.R., et al., British Biotechnology Journal 12: 1-7 (2016) |
要約(和訳) | 目的:植物組織培養で生産したショウガのミクロ根茎は、土壌病原菌の汚染が無いため、慣行の他の植付材料より望ましい。本研究は、異なった植物成長調節物質、異なった濃度のsucrose、明期のレベルを検討し、健全なミクロ根茎の効率的生産方法を開発するために行なった。
研究場所及び期間:the Department of Export Agriculture, Walpita, Sri Lankaの植物組織培養ユニットで2013年11月から2015年8月まで実施。
方法:植物ホルモン無添加培地で確立した培養シュートを8種類の処理、6-benzylaminopurine (BAP) (0.0、2.0、0.4及び 6.0 mg L-1)とNaphthalene acetic acid (NAA) (0.1及び0.2 mg L-1)を要因計画に従って添加したMurashige and Skoog (1962) (MS)培地で培養し、ミクロ根茎形成に対する植物成長調節物質の効果を検討した。別の試験では、培養シュートを種々濃度のsucrose(30、60、90及び120gL-1)を添加したMS培地で培養した。又、ミクロ根茎誘導に対する固形培地と液体培地、種々明期レベルの効果も検討した。
結果:60日以内の培養では、4.0 mgL-1 BAPと0.1 mgL-1 NAAを含む培地が最もミクロ根茎誘導効果が高く、次いで6.0 mgL-1 BAP with 0.1 mgL-1 NAAを含む培地が効果が高かった。NAA濃度の上昇はミクロ根茎の誘導を促進しなかった。sucrose濃度試験結果では、90 g L-1 sucrose添加培地が最もミクロ根茎の新鮮重量及び乾燥重量が高く、次いで60 g L-1 sucrose添加培地が高かった。しかしながら、90 g L-1 sucrose添加培地で誘導したミクロ根茎は根茎重量が低く、発根と根の新鮮重量が増加し、含水率の上昇によるものと思われた。明期レベルの試験結果では、16時間明期、固形培地で最大の新鮮重量(3.72 g)とミクロ根茎数(9.6)が得られた。
結論:ショウガ地域の栽培種のミクロ根茎誘導の最適条件は、4.0 mgL-1 BAPと0.1 mgL-1 NAA、90 g L-1 sucroseを含む固形培地、16時間明期、10週間の培養であった。 |
目的 | 植物組織培養によるショウガのミクロ根茎の効果的で信頼性が高く、再現性の高い手法の開発 |
材料(品種,系統,産地,由来) | ショウガの地域種 |
外植片 | 無菌シュート |
初期培養 | ショウガ地域種の確立した培養物から得た無菌シュート(3-4 cm高)をミクロ根茎誘導材料とした。植物成長調節物質の持ち込みの影響を避けるため、腋の根茎から成長したシュートを分割し、3-4 cm高の小シュートを再び新鮮な植物ホルモン無添加培地でさらに4週間培養した。 |
シュート増殖 | 植物ホルモン無添加培地で得られた3-4 cm高の培養シュートを8種の培地、6-benzylaminopurine (BAP)(0.0、2.0、0.4及び6.0 mg L-1)とNaphthalene acetic acid (NAA)(0.1及び0.2 mg L-1)を要因計画に従って添加したMurashige and Skoog (1962)(MS)培地で培養し、ミクロ根茎形成に対する植物成長調節物質の効果を調べた。各試験区は、10個の培養物が入った10本の瓶とした。各瓶のデータは、60日後に根茎数、根茎新鮮重量、新芽数、シュート高、葉数を記録した。8試験区のうち、4 mgL-1 BAPと0.1 mgL-1 NAAの組み合わせで、形成根茎数が他の処理区よりも優れていた。
植物ホルモン無添加培地で得られた3-4 cm高の培養シュートを4 mgL-1BA、0.25 mgL-1 NAAと種々濃度のsucrose(30、 60、90及び120 gL-1)MS培地で培養した。全ての培養物は、26±2°C、16時間明/8時間暗で培養した。データは、新芽数、シュート高、葉数、シュート及び根並びに根茎の新鮮重量と乾燥重量を収集した。90gL-1 sucroseを含むMS培地のショウガ植物体が最もミクロ根茎の重量が高く(新鮮重量平均:8.553 g、乾燥重量平均:0.771 g )、次いで60 gL-1 sucroseを含むMS培地であった。
植物ホルモン無添加培地で得られた3-4 cm高の培養シュートを4 mgL-1 BA、0.1 mgL-1 NAAと90 gL-1 sucroseを含むMS固形又は液体培地で培養した。明期の検討は、 0 hr、4 hr、8 hr及び16 hrとし、培養温度は26±2°Cでミクロ根茎形成を検討した。データは、ミクロ根茎数、ミクロ根茎新鮮重量、シュート数、シュート高、シュート及び根の新鮮重量、ミクロ根茎形成率を収集した。ミクロ根茎は、4、8及び16時間明期で得られたが、液体培地よりも固形培地の方が新鮮重量が高かった。最大の新鮮重量3.72 gと根茎数9.6は、MS固形培地、16時間明期で得られた。
4 mgL-1 BAP、0.1 mgL-1 NAA及び90 gL-1 sucrose含有MS固形培地、16時間明期、10週間の培養がショウガミクロ根茎誘導の最適条件であった。
supplemented with 4 mgL-1 BAP, 0.1 mgL-1 NAA
and 90 gL-1 sucrose, in solid condition under the
16-h photoperiod with 10 weeks of culture
duration were the best conditions for induction
of microrhizomes in ginger |
発根 | |
馴化条件 | |
鉢上げ・定植 | |
栽培条件 | |
再生植物体の形質 | |
分析した成分 | |
成分の抽出法 | |
分析法 | |
備考 | |