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組織培養物及び効率的増殖法_文献

植物名センブリ
ラテン名Swertia japonica Makino
文献コードSwertia_japonica-Ref-1
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年)Shoyama Y and Nishioka I, Natural Medicine 48 (1), 92-94(1994)
要約(和訳)2.2 μM 6-ベンジルアミノプリン(BAP)と2.9 μM インドール-3-酢酸(IAA)を添加したMS培地は単離したSwertia japonicaの分裂組織先端部分の生育と発達を促進した。4.4 μM BAPと11.4 μM IAAの培地への添加は、腋芽の増殖を促進し、一つのシュートから、50日後に、最大18シュートが作られた。そのシュートは11.4 μM IAA又は2.5 μM インドール-3-酪酸(IBA)を含むMS培地で発根し、小植物体はバーミキュライトに移植した。
目的分裂組織の組織培養によるSwertia japonicaのマイクロプロパゲーション
材料(品種,系統,産地,由来)福岡県福岡で5月に採集し、種子から圃場栽培した植物から取り除いた栄養シュート(10-20 mm長)
外植片シュートの葉を取り除いた後、1%次亜塩素酸ナトリウムにゆっくりと撹拌しながら10分間浸し、表面を殺菌した。それらをはじめに70%エタノールで30秒間すすいだ後、滅菌水で2回洗浄した。分裂組織先端部分(0.5-1.0 mm長、二つの原基を含む)は双眼顕微鏡下でシュート先端や腋芽から切り取り、すぐに半固形培地へ移植した。
初期培養
シュート増殖シュート形成には、2.9 µM IAAと2.2 µM BAPの添加が5.7 µM IAAと4.4 µM BAPの添加よりもより効果があった。クローンの小植物体を得るため、シュート先端部から再生されたシュートを用いて、サイトカイニン(BAP, kinetin)単体またはオーキシン(IAA, NAA)やGAとの組み合わせを含むMS培地でマルチプルシュートを形成する能力を試験した。マルチプルシュート形成率は、BAPのみを添加したMS培地では高くなかった[4.4 µM(83%), 22.2 µM(60%), 44 µM(50%)]。しかし、11.1 µM BAPと5.7 µM IAAを加えたMS培地では、培養物あたり13シュートが形成され、4.4 µM BAPと11.4 µM IAAを含むMS培地ではおよそ18シュートが形成された。しかしながら、22.2 µM BAPの存在下では、IAA濃度に関わらずマルチプルシュート形成は阻害された。22.8 µM IAAの添加は明らかにシュート増殖を阻害した。NAA(2.7 µM-10.7 µM)または2,4-D(1.1または2.3 µM)のBAPを含む培地への添加は効果がなかった。11.1 µM BAPと1.4 µMまたは2.9 µM GAの添加は培養物あたり27シュートを形成し、シュート増殖に適していた。しかしながら、マルチプルシュート形成が上手くいく割合は1.4 µM GA培地で63%、2.9 µM GA培地で87%であり、GAとBAPを組み合わせた効果については更なる調査が必要である。これらの結果から、4.4 µM BAPと 11.4 µM IAAを含む培地が、日常的にシュート増殖に使われるかもしれない。しかしながら、この培地を使用した場合、ほとんど全てのシュートは短日条件下で花を咲かせ、シュート増殖率が低下する結果となった。
発根11.4 µM IAAまたは2.5 µM IBAを含む培地が、最も効率よく発根を誘導した。NAAを培地に加えた場合、シュートの基部にカルスを形成した。
馴化条件再生した小植物体をバーミキュライトに移植し、5か月間栽培した。
鉢上げ・定植
栽培条件
再生植物体の形質
分析した成分
成分の抽出法
分析法
備考