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組織培養物及び効率的増殖法_文献

植物名オタネニンジン
ラテン名Panax ginseng C. A. Mey.
文献コードPanax_ginseng-Ref-5
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年)Asaka I et al., Planta Medica 59: 345-346 (1993)
要約(和訳)我々はニンジン(Panax ginseng C. A. Mey.)のマルチプルシュートを中程度の高温処理することにより胚様体を誘導する新規の技術を開発した.形成した胚様体数は,未処理の場合に比べ10倍であった.胚様体を植物ホルモン無添加培地に移植することで正常な植物体が再分化した.それらの植物体は,従来のニンジンと同様に,ginsenosides Rb1,Rg1及びその他のサポニンを含有した.
目的成長が緩慢で,収穫や種子が得られるまでに5-7年を要し,低い発芽率であるニンジンのクローン増殖のための手法の開発.
材料(品種,系統,産地,由来)Panax ginseng C. A. Mey.
外植片韓国で5年間栽培した植物体の根
初期培養韓国で5年間栽培した植物体の根より誘導したマルチプルシュートは,20℃,16時間照明下(5000 lux)で継代培養.
シュート増殖マルチプルシュートより調製した切片5-6個をkinetin (1 mg/l)添加MS培地に移植し,3-96時間高温処理.その後切片を12-25℃変温,14時間照明(5000-10000 lux変化)で6週間培養し,胚様体形成切片数,胚様体数を計測.まず処理時間12時間で温度の影響を調べた結果,35℃処理では,胚様体形成率95%で切片1 gあたりの胚様体数は75.7個.最適処理温度と時間を調べた結果,温度30-40℃,12-24時間処理が最適.胚様体は植付け片の表面に形成.
発根形成した胚様体を切片から切り離して植物ホルモン無添加MS培地で6週間培養すると約6 cm長の幼植物が得られた.このように,高温処理から3ヵ月間で幼植物が得られ,同じ大きさの幼植物を得るために種子から要する期間(約6ヵ月間)の半分であった.
馴化条件記載無し.
鉢上げ・定植記載無し.
栽培条件記載無し.
再生植物体の形質TLC及びHPLC分析の結果,幼植物のサポニン画分のパターンは,従来のニンジンと同様であり,TLCでもHPLCでもginsenoside Rb1とginsenoside Rg1が検出された.
分析した成分ginsenoside Rb1,ginsenoside Rg1,サポニン画分
成分の抽出法凍結乾燥した幼植物(0.8 g)を60%メタノール(20 ml),100℃で3時間抽出し,濾過後溶媒を留去し乾燥.残査をH2O(10ml)で溶解し,Sep-Pak C18カートリッジに吸着.サポニン画分をメタノール(10ml)で溶出.得られたサポニン画分は,TLC及びHPLC分析.
分析法TLC条件:Kiesel gel 60 F-254 plates,展開溶媒;n-BuOH-AcOEt-H20 (40:10:50),検出:10%H2SO4噴謀+ 加熱(100℃).
HPLC条件:Senshu Pak NP (10×300 mm)カラム,移動層:26% CH3CN (for ginsenoside Rg1)及び33% CH3CN (for ginsenoside Rb1),流速3 ml/min,検出:UV202 nm,個々試料はメタノールに溶解.
備考