植物名 | ウラルカンゾウ |
ラテン名 | Glycyrrhiza uralensis Fisher |
文献コード | Glycyrrhiza_uralensis-Ref-1 |
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年) | Kusano G et al., Natural Medicines 54: 199-203 (2000) |
要約(和訳) | 絶滅が危惧された甘草屋敷(山梨県塩山市)のウラルカンゾウGlycyrrhiza uralensis Fisch.について,環境整備,地下茎の移植植栽,茎頂培養による復活を試み,所期の目的を果たしたので,その経過を報告する. |
目的 | 山梨県塩山市で1720年よりその栽培記録があるウラルカンゾウの特性調査と増殖 |
材料(品種,系統,産地,由来) | 1992年に甘草屋敷(山梨県塩山市上於曽)のキウイ畑に生えていたのが確認されたウラルカンゾウ. |
外植片 | 1995年5月1日に2本の地下部(径3〜5 mm,長さ約20 cm)を筑波薬用植物栽培試験場(現医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター筑波研究部)圃場に移植し,活着した1本より増殖した植物より1997年5月に採取した新芽. |
初期培養 | 顕微鏡下,無菌的に取り出した茎頂部を1/3濃度に希釈したMS培地 + IAA 0.1 mg/l + Zeatin 0.3 mg/l(ゲルライトで固化),25℃で培養. |
シュート増殖 | 3〜5葉に成長した初代培養シュートから節を切り取り,1/3濃度に希釈したMS培地 + IAA 0.1 mg/l + Zeatin 0.3 mg/l(ゲルライトで固化),25℃で継代培養し増殖. |
発根 | 5〜6葉に成長したシュートを1/3希釈MS培地 + IBA 0.1 mg/lで発根. |
馴化条件 | グリーンハウス内 |
鉢上げ・定植 | バーミキュライトの入ったビニールポットに植物体を移植し,グリーンハウス内で育成後,秋に圃場に移植し,2年間栽培. |
栽培条件 | |
再生植物体の形質 | 圃場移植後2年間栽培した再生植物体の地下部のグリチルリチン含量は,2.81%. |
分析した成分 | Glycyrrhizin |
成分の抽出法 | 収穫後,十分乾燥させ粉末とした後,50℃で恒量にしたカンゾウ粉末から50 mgを精密に量り取り,内部標準物質(p-ヒドロキシ安息香酸n-プロピル)0.01 mg/mlを含む50%エタノールを10 ml加え,20分間超音波抽出.その抽出液を0.45 µmのフィルターで濾過し,HPLCサンプルとする. |
分析法 | HPLC条件:column Crestpak C18T(i.d. 4.6 mm x 250 mm; mobile phase acetic acid water (1→15):acetonitrile=3:2;Flow rate 0.6 ml/min; temperature 40℃; detection UV 254 nm; injection volume 20µl.グリチルリチン標準品はナカライテスク(株)より購入.1検体につき3点を分析し,その平均値を算出. |
備考 | |