組織培養物及び効率的増殖法_文献
植物名 | カギカズラ |
ラテン名 | Uncaria rhynchophylla (Miq.) Miq. |
文献コード | Uncaria_rhynchophylla-Ref-1 |
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年) | Kohda H. et al., Chemical and Pharmaceutical Bulletin 44: 352-357 (1996) |
要約(和訳) | カギカズラUncaria rhynchophylla (MIQ) MIQUEL(アカネ科)カルス培養における成長とアルカロイド生産に及ぼす成長ホルモンや栄養成分の効果を調査した。インドール酢酸(10-4 M)と6-ベンジルアミノプリン(3×10-5 M)を添加したGamborg B5(B5)培地が、成長(5週間で生体重1.8g)とアルカロイド生産(5週間でg乾燥重当たり1.73mg)の両方に最適であった。スクロース濃度の影響を調査したところ、2%スクロースが成長およびアルカロイド生産のために最適であることが明らかになった。窒素源組成の効果を調査した。6 mMの塩化アンモニウムと25mMの硝酸カリウムがB5培地に添加した時に、最大の成長とアルカロイド生産が得られた。 Hirsuteine、hirsutine、3α-dihydrocadambineとウルソール酸がカルスから分離された。カルスの3α-dihydrocadambine濃度は、カギカズラの鉤や茎の50倍高い濃度であった。 |
目的 | カギカズラからの効率的なアルカロイド生産 |
材料(品種,系統,産地,由来) | 広島大学薬用植物園で栽培されているカギカズラ植物体 |
外植片 | 5mm角の本葉切片 |
初期培養 | (カルス誘導) 70%エタノール10秒、その後、8%さらし粉処理で本葉を表面殺菌し、それから滅菌水で2回すすいだ。表面殺菌した本葉を5mm角に切り取り、10-4 M NAAと10-4 Mから10-6 M カイネチンを添加したMS寒天培地に置床し、暗黒下で培養した。 |
シュート増殖 | (カルス成長とアルカロイド生産)10-4 M IAA、3×10-5 M BAP、2%ショ糖、6mM塩化アンモニウム、25mM硝酸カリウムを添加したB5寒天培地でカルスを培養した時、カルスの成長とアルカロイド生産は最大となった。 |
発根 | 記載無し |
馴化条件 | 記載無し |
鉢上げ・定植 | 記載無し |
栽培条件 | 記載無し |
再生植物体の形質 | 記載無し |
分析した成分 | Hirsuteine, hirsutine, 3α-dihydrocadambine and ursolic acid |
成分の抽出法 | 凍結乾燥した50mgのカルスにアセトニトリル-水-酢酸(50:100:1)の抽出液2mlを加え、一晩抽出した。 |
分析法 | ろ過後、アルカロイド抽出物はTLCとHPLCで分析した。 TLCは、アセトン-メタノール(20:1)と酢酸エチル-n-ヘキサン(1:1)を溶剤として用い、シリカゲルプレート上で行った。用いた検出試薬はDragen-droff試薬。 HPLCは、40℃、毎分0.75mlの流量で、TSKgel ODS-120T (250 mm×内径4.6 mm, 5 μm)で行った。移動相はアセトニトリル-水-酢酸(50:100:1)を用いた。流出物は、254nmで検出した。 |
備考 |