植物名 | ウラルカンゾウ |
ラテン名 | Glycyrrhiza uralensis Fisher |
文献コード | Glycyrrhiza_uralensis-Ref-2 |
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年) | Wongwicha W et al., Z Naturforsch, C, 63: 413–417 (2008) |
要約(和訳) | オーキシンとサイトカイニンを組み合わせて添加したMS培地を用い,甘草,Glycyrrhiza glabra, G. uralensis及びG. inflataのカルス誘導を検討した.培養4週間後,33-100%の葉及び茎外植片よりカルスが形成した.カルスからのシュート誘導は,1 mg/lα-ナフタレン酢酸(NAA)と0.5 mg/l 6-ベンジルアデニン(BA)を添加した培地で培養したG. inflata茎外植片が最も良好(67%)で,外植片あたりのシュート数も最大であった(2シュート/切片).3種のGlycyrrhiza全てにおいて,NAAとBAを組み合わせて添加,あるいはチジアズロン(TDZ) 0.1又は0.5 mg/lの単独添加MS培地で培養したカルスからシュートが再分化した.NAAとBAを組み合わせて添加あるいはTDZ単独添加MS培地で誘導したG. uralensisカルスのグリチルリチン含量は,それぞれ,27.60±8.47 μg/g DW及び36.52 ± 2.45 μg/g DWであり,他の組合せのものより高かった. |
目的 | 3種の甘草,Glycyrrhiza glabra, G. uralensis及びG. inflataのカルス誘導効率の検討と再分化システムの開発 |
材料(品種,系統,産地,由来) | Institute of Botany, Mongolian Academy of Sciences, Ulaanbaatar, Mongoliaより入手した種子 |
外植片 | Institute of Botany, Mongolian Academy of Sciences, Ulaanbaatar, Mongoliaより入手した種子 |
初期培養 | 種子を滅菌水で洗浄した後,10%次亜塩素酸ナトリウムで15-20分間殺菌した.滅菌水で3回洗浄後,種子を70%エタノールに1分間浸けて,3%ショ糖含有植物ホルモン無添加(HF)Murashige and Skoog (MS)培地,25±1℃,16時間/日照明下で発芽させた.発芽は5日以内に生じ,得られた幼植物体は4週間毎に同じ条件下で継代培養した. |
シュート増殖 | 2週間充分に生育させた幼植物体より調製した0.5 cmの葉及び茎切片を種々植物成長調節物質を組み合わせて添加したMS培地(0.9%寒天),16時間/日(70 W/m2)で培養し,カルス誘導を検討した.種々植物成長調節物質の組合せは,例えば, NAA (0.5-1 mg/l), 2,4-D (0.5-1 mg/l), BA(0.5-1 mg/l) and Kin (0.5-1mg/l), 及び単独添加のTDZ (0.1-1 mg/l)である.4週間後,カルスが形成(33-100%)し,誘導した初期カルスは同培地に継代した.カルスからシュートが再生し,1 mg/lα-ナフタレン酢酸(NAA)と0.5 mg/l 6-ベンジルアデニン(BA)を添加した培地で培養したG. inflata茎外植片が最も良好(67%)で,外植片あたりのシュート数も最大であった(2シュート/切片).3種全てのGlycyrrhizaにおいて,NAAとBAを組み合わせて添加,あるいはチジアズロン(TDZ) 0.1又は0.5 mg/lの単独添加MS培地で培養したカルスからシュートが再分化した(最良のシュート誘導 G. uralensis:TDZ 0.1 58.33%,G. glabra:TDZ 0.1 又はNAA0.5+BA1 50%,G. inflata:NAA1+BA0.5 66.67%).これは甘草におけるカルス培養からのシュート再分化の初めての報告である. |
発根 | カルス誘導開始4週間後に細分化した初期のシュートを植物ホルモン無添加培地に継代したところ,4週間後に発根した. |
馴化条件 | |
鉢上げ・定植 | |
栽培条件 | |
再生植物体の形質 | |
分析した成分 | グリチルリチン |
成分の抽出法 | 乾燥させた培養4週間のG. glabra, G. uralensis, and G. inflataカルス試料(50 mg)を粉砕し,0.5 mlメタノールを加えて超音波洗浄機で5回抽出した.合わせた抽出物は溶媒を留去し,1 mlメタノールに再溶解させた.抽出液のメタノール濃度が20%になるように希釈し,前報 (Shan et al., 2001)に従い,抗グリチルリチンモノクローナル抗体を用いた競合的ELISAによりグリチルリチンを分析した. |
分析法 | |
備考 | |