組織培養物及び効率的増殖法_文献
植物名 | クズ |
ラテン名 | Pueraria lobata (Willd.) Ohwi |
文献コード | Pueraria_lobata-Ref-1 |
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年) | Li L. and Zhang C.R., Journal of Environmental Biology 27: 21-26 (2006) |
要約(和訳) | クズ苗本葉外植体から誘導したカルスを1mg l-1 2,4-D、1mg l-1 NAA、0.5mg l-1カイネチン、30g l-1ショ糖を添加したGamborg B5培地に懸濁した。細胞成長と懸濁細胞中のプエラリンとイソフラボンの収量に及ぼすココナッツミルクとカゼイン加水分解物(CH)の効果を検討した。懸濁培養におけるイソフラボンとプエラリンの総含量は、分光光度計とHPLCにより定量した。 ろ過滅菌したココナッツミルク10%添加は、細胞培養の成長と総イソフラボンの蓄積を減少させた。しかし、0.2%のCH添加は、細胞培養の成長とプエラリンと総イソフラボンの蓄積と放出を促進した。プエラリンとイソフラボンの総収量は、対照区に比べて、それぞれ34.%と40.8%高かった。クズ苗本葉の細胞培養にとって最適な培地は、1mg l-1 2,4-D、1mg l-1 NAA、0.5mg l-1カイネチン、2%ショ糖、20 mg l-1 CHを添加したB5液体培地であった。この手順の利用は、イソフラボンの生産にとって有用である。 |
目的 | 本研究の目的は、クズの懸濁細胞培養における細胞成長とイソフラボンレベルに及ぼすCMとCHの効果を明らかにすることである。 |
材料(品種,系統,産地,由来) | 華南師範大学植物園で育っているクズ |
外植片 | 無菌播種した実生の本葉 |
初期培養 | (カルス形成) クズの未熟な緑色のサヤを水洗し、70%エタノール1分間、0.2%塩化水銀で20分間浸漬し、その後、滅菌蒸留水で3回洗浄した。8日後4葉齢の無菌実生の本葉を切り取り、カルス誘導のため、1mg l-1 NAA、0.5 mg l-1 4-PU、30 gl-1 ショ糖を添加したMS培地に置床した。培養物は25℃、16時間日長の蛍光灯条件下で維持した。 |
シュート増殖 | (カルス増殖) カルス小片を切取り、1mg l-1 NAA、0.5 mg l-1 kinetin、30 gl-1 ショ糖を添加したGamborg B5寒天(0.8%)培地に移植した。カルスは15日間隔で継代培養された。 (懸濁細胞) 6代継代培養後、クリーム色のフライアブルなカルス(生体重1.5g)を1mg l-1 NAA、0.5 mg l-1 kinetin、30 gl-1 ショ糖を添加し、さらに20 mg l-1 カゼイン加水分解物または 10% (v/v) の新鮮な(ろ過滅菌した) ココナッツミルクを加えたGamborg B5液体培地を50ml入れた150mlのフラスコに移植した。振とう機で毎分130回転しながら25℃で培養すると、フライアブルなカルスは急速に単細胞に崩壊し、小さな細胞集塊に発達した。 |
発根 | 記載無し |
馴化条件 | 記載無し |
鉢上げ・定植 | 記載無し |
栽培条件 | 記載無し |
再生植物体の形質 | 記載無し |
分析した成分 | プエラリン、イソフラボン |
成分の抽出法 | (UV-VIS分光光度計分析用の抽出) 乾燥粉末25mgに95%のエタノールを30ml加えて攪拌し、70℃の恒温槽に6時間置いた。冷却後、粗抽出物に95%エタノールを50ml加えて希釈した。1.0mlの抽出サンプルは、水を加えて25.0mlまで希釈した。 (HPLC分析用の抽出) 乾燥粉末100mgに1.0mlの無水エタノールを加え、24時間抽出した。抽出物を混合、濾過し、5mlの無水エタノールで希釈した。 |
分析法 | (UV-VIS分光光度計分析)UV-VIS分光光度計(UV-2100, 島津製作所製)により、サンプルの吸光度を250nmで測定した。 (HPLC分析) Gold System, Beckman社製、カラムはUltrasphere ODS (4.6 mm × 250 mm)、移動相はメタノールと水(50:50)、流速1.0 ml/min、検出吸光度248nmでHPLC分析した。 |
備考 | (UV-VIS spectrophotometer analysis) The extinction of samples at 250 nm was determined by a UV-VIS spectrophotometer (UV-2100, shimadzu, Japan). (HPLC analysis) The HPLC (Gold System, Beckman) was used as follows: column, Ultrasphere ODS (4.6 mm × 250 mm); eluant, MeOH: H2O (50 : 50); flow rate, 1.0 ml/min; detection, E 248 nm. |