植物名 | スペインカンゾウ |
ラテン名 | Glycyrrhiza glabra Linne |
文献コード | Glycyrrhiza_glabra-Ref-1 |
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年) | Kohjyouma M et al., Plant Tissue Culture Letters 12: 145-149 (1995) |
要約(和訳) | G. glabra L. の腋芽切片をNAA及びBAPを含む改変MS培地上で培養した結果,培養40日後に1 mg/L BAPを含む培地上でマルチプルシュートの形成が認められた.得られたシュートを切断し,NAA及びBAPを含む培地上へ移植した結果,培養80日後に0.01-0.5 mg/LのNAAを含む培地でシュートはよく発根し,健全な植物体へと成長した. |
目的 | 野生植物の採取に依存している甘草の迅速な試験管内増殖法の確立 |
材料(品種,系統,産地,由来) | サラヤ株式会社の熊野薬草園で栽培されていたG.glabra |
外植片 | 15 ~ 20 cmにカットした地下茎を水道水で 1~2 時間洗浄し、5% 次亜塩素酸カルシウム溶液に 10 分間浸した後、バーミキュライトに移し、25±2℃、約 3000 luxの連続光下、グロースチャンバー内で1ヵ月栽培後、ポットから生じた15 ~ 20 cm のシュートを切り分けた腋芽を含む 5 cm の切片 |
初期培養 | シュート切片は、水道水で1時間洗浄後、50mLあたり1滴のTween-20を含む1%次亜塩素酸ナトリウム溶液で5分間表面殺菌し、滅菌水で3回洗浄した。滅菌したハサミでそれぞれ腋芽を含む1㎝の切片に切り分けた。16通りの組成の植物ホルモン(0~1mg/LのNAAおよび0~5mg/LのBAP)、3%ショ糖、0.8%のアガーを含み有機成分をGamborgB5 培地に変えた改変MS培地(pH5.5)で、殺菌切片を25±2℃、16時間明期 (約3000lux) の条件で培養。40日後に形態変化を観察した結果,BAPのみを含む培地でマルチプルシュートが形成し,それらのシュートは親植物に比較して異常な形態を示していた.NAA0.04-0.2 mg/l又は無添加とBAP 5 mg/l添加の組合せでは主にカルス形成が観察された. |
シュート増殖 | 種々濃度のBAP(0.25, 0.50, 1.00, 2.00 mg/l)を培地に添加し,シュート形成に対するBAPの効果を調べた.培養50日後,1外植片あたりの1 cm以上の長さのシュート数を調べた結果,1.00 mg/l BAP添加が最大で,4.6本のシュートが形成した.本条件を次の実験のためのマルチプルシュート形成条件として選択した. |
発根 | 初代培養から40日後,新しく形成したマルチプルシュートから個々のシュートを切り離し,種々組合せのNAA(0.05, 0.10, 0.50 mg/l)とBAP (0, 0.01 mg/l)を含む発根用培地に移植した.移植40日後にシュートを同じ組成の培地に移植しさらに培養した.シュートの培養80日(40日+40日)後,根の形成とシュートの伸長が観察された.発根率は,NAA(0.05-0.10 mg/l)添加が最も高く,本条件ではシュートの生育,葉の長さ,葉の数も正常であった.BAP添加は根の形成を促進させなかった. |
馴化条件 | 発根培地で成長した幼植物体を水で洗浄後、バーミキュライトの入ったポットに移植し、プラスチックフィルムをかぶせて高湿度を維持した。 |
鉢上げ・定植 | 馴化後の幼植物は温室内で育成 |
栽培条件 | |
再生植物体の形質 | |
分析した成分 | |
成分の抽出法 | |
分析法 | |
備考 | |