植物名 | スペインカンゾウ |
ラテン名 | Glycyrrhiza glabra Linne |
文献コード | Glycyrrhiza_glabra-Ref-2 |
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年) | Patel RM and Shah RR, Journal of Herbal Medicine and Toxicology 1: 27-29 (2007) |
要約(和訳) | カンゾウの試験管内での再生は,節切片を外植片として使うことで達成された.いずれの植物ホルモン濃度でもシュートの形成がよく認められたが,特に0.5 mg/LのBAP及び0.05 mg/LのNAA を含むMS培地上では,100%の頻度でシュート形成が認められた.また、1.0 mg/LのBAP と0.05 mg/Lの NAAを含むMS培地上で早く形成したシュートほど,最大長とシュートあたりの節の数が多かった.一方で,外植片あたりのシュートの最大数は, 0.05 mg/LのNAA 及び 高濃度のBAP (2.0mg/L) を含むMS培地で認められた.試験管内での発根は,IBA (0.5 - 1.0 mg/L) を含むMS培地で良好であった.最大根数とシュートの最大長は, 0.5 mg/LのIBAで処理で記録された.さらに発根した幼植物は,土壌と腐葉土を等量混ぜた土でよく馴化し,72%が活着した.この技術は,純種かつ無病の植物原料の効率的な周年生産への応用が期待される. |
目的 | 重要な薬用植物であるが増殖効率の低いG. glabraについて、年間を通して大規模な生産に耐えうるだけの迅速かつ高効率な試験管内クローン増殖法を開発する |
材料(品種,系統,産地,由来) | Glycyrrhiza glabra |
外植片 | 節切片 |
初期培養 | 節切片を流水で30分間、10%の洗剤で5分間処理し、精製水で洗浄した後、 0.1%の塩化第二水銀溶液で3分間殺菌。滅菌精製水で塩化第二水銀を洗い流したのち、約1.0cmずつカットした。得られた切片を各種濃度の0.1~1.0 mg/L のBAP,0.05 mg/LのNAA、3%のショ糖、0.8%の寒天を含むMS培地上で、25±2℃、1000 lux 16時間の条件で培養した。0.1~1.0 mg/L のBAPを含む培地で4日目に新芽が出、2.0 mg/LのBAPを含む培地では、7日目に新芽が出た。シュート数は、2.0mg/LのBAPを含む培地で最大となったが、その時のシュートの節数および長さは、最低であった。一方、1.0mg/LのBAPを含む培地で、シュートの節数及び長さは、最大を記録した。 |
シュート増殖 | 増殖のため,得られた初期培養物を同じ培地でさらに4週間培養した結果,BAP 0.5 mg/lとNAA 0.05 mg/lの組合せが最も優れており,最大の増殖効率(9.28シュート/切片),とシュート長(5.16 cm)が得られた. |
発根 | 再生したシュートは、切り取り、IBAを含む発根用のMS培地(1/2または1倍濃度)へ移植し3週間培養した。発根は,培地及びIBA濃度に大きな影響を受け,0.5-1.0 mg/lのIBAを添加した通常のMS培地が他の条件よりも良好であった.最大の発根率(76.0%),最大の植物あたりの発根数(11.64),最大のシュート長(6.80 cm)は,0.5 mg/l IBA添加MS培地で得られた.1/2MS培地では,より高濃度(0.5,1.0 mg/l)のIBA添加で発根は観察されなかった.MS培地での傾向は,1/2MS培地とは逆で,低濃度のIBA添加では発根率が低かった. |
馴化条件 | 発根した幼植物体は馴化させてポリバッグで生育させた.植物体の活着率は,培養土の種類に大きな影響を受け,土と腐葉土を1:1で混ぜたものが最も生存率がよく、72%が活着した。 |
鉢上げ・定植 | |
栽培条件 | |
再生植物体の形質 | |
分析した成分 | |
成分の抽出法 | |
分析法 | |
備考 | |