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組織培養物及び効率的増殖法_文献

植物名
ラテン名Citrus aurantium Linné
文献コードCitrus_aurantium-Ref-1
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年)Tetsushi H et al, Japan. J. Breed., 32(3):247-252(1982)
要約(和訳)材料には`サワーオレンジ'と`ブーケードフルール',`カブス(臭燈)',潮州オ登'の4品種を用いた。 培地は Murashige & Skoog(1962) の処方に,庶糖50g/lを加えたものに,KinetinとIAAを種々の濃度で添加したものを用いた。培養は28℃,はじめ暗黒下で行った。 置床後14週目頃から`サワーオレンジ'と'潮州燈'の葯から胚様体がカルスを経ずに直接突出してくるのが認められるようになった。`サワーオレンジ'で葯の発育段階を調べたところ,1核後期の花粉を含む葯から胚様体が分化し,他の発育段階の葯からは分化しなかった。培地の種類では0.02mg/lのKinetinを含む培地が効果的であった。また,Kinetinの濃度が比較的低い場合には,IAAの濃度がいくらか高くても胚様体は分化したが,Kinetinの濃度が高い場合には,IAAの濃度は低い方が効果的であるように思われた。 また,置床後の葯内の花粉粒の変化を観察した結果,生殖核及び栄養核の分裂や多核花粉粒は認められたが,胚様体は認められたかった。胚様体を 16時間照明8時間暗黒の条件下に移すと、シュートを芽を分化し植物体を形成するものもあったが、胚軸部分からさらに胚様体を形成するものもあった。胚様体誘導用の植物生長調節物質を含む培地から無添加培地に移すことで,芽及び根の分化生長を図った。 根を分化した植物体の根端で染色体数を調査したところ,得られた植物体は2倍体であることを示した。これらの植物体は,分化の過程のどこかで倍加したものと考えられるが,さらに検討を要する。
目的Citrus aurantium L.の葯からの幼植物形成の説明とponcirusと比較した結果の考察
材料(品種,系統,産地,由来)‘サワーオレンジ’ ‘ブーケードフルール’ ‘カブス(臭橙)’ ‘潮州橙’の4品種
外植片
初期培養培地はMS培地にショ糖 50g/L,寒天 8g/Lを加え,pH 5.8に調整.さらにそれぞれの濃度のIAA( 0, 0.002, 0.02, 0.2, 2.0 mg/L)とカイネチン(0, 0.002, 0.02, 0.2, 2.0 mg/L)を組み合わせて添加.28±1℃の暗黒下で胚様体を誘導し,分化した胚様体は照明下(白色蛍光灯:500lux,明期:16時間)へ移植.‘サワーオレンジ’において,0.02,0.2 mg/Lカイネチン培地では胚様体が形成されたが,2.0 mg/Lカイネチン培地では胚様体が形成されなかった.また,0.002mg/Lカイネチンおよび2.0 mg/L IAA培地では胚様体が形成されたが,0.2 mg/Lカイネチンおよび 2.0 mg/L IAA培地では形成されなかった.0.2 mg/Lカイネチンおよび 0.02mg/L IAA培地は,‘サワーオレンジ’および‘潮州橙’の両方に有効であった.‘ブーケードフルール’および‘カブス(臭橙)’の葯から組織の誘導はなかった.
シュート増殖
発根根およびシュートを誘導するために,葯から形成された胚様体を 20 g/L ショ糖を添加し,植物生長調整剤を含まない培地に移植.移植後,シュートや根を形成する胚様体もあったが,その他の胚様体は生長,緑化しなかった.また,褐変するものもあった.
馴化条件
鉢上げ・定植
栽培条件
再生植物体の形質
分析した成分
成分の抽出法
分析法
備考