植物名 | シャクヤク |
ラテン名 | Paeonia lactiflora Pallas |
文献コード | Paeonia_lactiflora-Ref-2 |
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年) | 米田ら, 生薬学雑誌, 29(1) 6-9 (1975) |
要約(和訳) | シャクヤク種子の発芽に長期間を要する大きな要因に,発根後の上胚軸の休眠がある.シャクヤク種子の発芽時の胚の状態を知るために胚培養を行った.殺菌した種子より胚を取り出し,Nitschの胚珠培養用培地に置床した.シャクヤク種子胚からの幼根の伸長に適した温度は20~25℃であった。幼根の伸長は胚の置床7〜10日後に開始したが,低温貯蔵した種子の胚はより長期間を要した.ジベレリンによって種子の上胚軸の休眠が打破され,その濃度は1~10ppm×10 mL/embryoであった. |
目的 | 発芽時の胚の情況を知るために胚培養を行った.また,胚において,ジベレリンによる発芽促進およびその他の因子の発芽促進に対する影響について検討. |
材料(品種,系統,産地,由来) | 国立衛生試験所北海道薬用植物栽培試験場(北海道名寄市)で栽培されたシャクヤクの種子(1972,1973年採取) |
外植片 | 殺菌した種子から取り出した胚 |
初期培養 | 種子を30% NaOCl溶液で10分間消毒後,1~2日間滅菌水に浸し,その胚を摘出して培地表面に置床し,10℃,20℃,25℃,30℃で暗所で培養した.培養は,Nitschの胚珠培養用培地(Nitschの無機塩,ビタミン,アミノ酸,5%ショ糖,0.8%寒天)で行った.ジベレリンによる影響:培地にジベレリン溶液(1ppm,10ppm)を加え,上記の方法で培養した.低温処理:1973年産,採取後140日間4℃で保存した種子の胚を同様に培養した.又,20℃,25℃において発根した胚を発根後約15日目より10日間,20日間4℃で処理した後,20℃に戻して培養を続けた.乾燥による影響:吸水完了後(7〜10日で完了)の種子,及び1972年産で大阪豊中にて室温保存した種子の胚を培養した. |
シュート増殖 | 至適温度:25℃では10〜23日後に発根し,発根率も高いが,20℃では発根開始期は差がないが発根率はやや低く,10℃では30日後も発根しなかった.20℃,25℃,30℃では置床40〜60日後に発芽を開始したが,わずかに先端をみせるだけで,その後休眠し,成長は認められなかった.30℃においては,子葉は肥大生長するが,根の伸長はみられなかった.ジベレリンの影響:発根については,1ppm添加は対照群と差がなく,10ppm添加で少し早くなった.発芽には大きな効果がみられ,上胚軸の休眠はなく,本葉の伸長が認められた.本葉の頂芽の伸長についても1ppm添加群より10ppm添加群の方が早い傾向にあった.低温処理:種子の段階で低温処理した胚では,発根が遅れ,発芽は全く認められなかった.発根後10.20日間の低温処理を行った胚では,本葉の頂芽伸長はみられなかった.乾燥による影響:完全吸水後の種子の胚は対照群より発根が早くなる傾向があった.1972年産種子の胚は25日目に発根を開始したものを1個認めたが,他の胚は肥大成長が認められなかった. |
発根 | 同上 |
馴化条件 | |
鉢上げ・定植 | |
栽培条件 | |
再生植物体の形質 | |
分析した成分 | |
成分の抽出法 | |
分析法 | |
備考 | |