植物名 | シャクヤク |
ラテン名 | Paeonia lactiflora Pallas |
文献コード | Paeonia_lactiflora-Ref-3 |
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年) | Wu HJ et al., New Zealand Journal of Crop and Horicultural Science 39: 271-278 (2011) |
要約(和訳) | シャクヤク‘Zhong Sheng Fen’の地下部の新芽を材料に、インドール酢酸(IAA)の初代培養物誘導効果、ベンジルアデニン(BA)の腋芽誘導効果、3種のオーキシン(IAA、インドール酪酸[IBA]、1-ナフタレン酢酸[NAA])の腋芽増殖効果を調べた。また、水分過多のミクロシュートの復帰方法も確立した。我々の結果では、‘Zhong Sheng Fen’の初代培養物誘導の最適培地は、2倍濃度(880 mg L-1)のCa2+、1 mg L-1 BA、0.5 mg L-1ジベレリン酸(GA3)と0.1 mg L-1 IAAを含む1/2 Murashige and Skoog(MS)培地であった。腋芽は2.0 mg L-1 BAで誘導できた。幾つかの方法により水分過多のミクロシュートの復帰に成功し正常シュートとなった。これらの方法は、3 g L-1 活性炭添加、培地からの硝酸アンモニウムの除去、2倍量のCa2+ 添加または培地からのBA除去を含んでいる。 |
目的 | 園芸的価値の高い‘Zhong Sheng Fen’の培養シュートの誘導と水分過多のマイクロシュート復帰方法の開発 |
材料(品種,系統,産地,由来) | 十分に成長したシャクヤク‘Zhong Sheng Fen’(the Society of Forestry Experimental
Base) |
外植片 | 冬に採取した地下部の新芽 |
初期培養 | 地下部の新芽を水道水で30分間水洗し、外皮を取り除いた後、75%エタノールで30秒間、その後即座にHgCl2 (0.1% w/v)で10分間殺菌し、滅菌水で5回洗浄(5分/洗浄)した。外植片は主要及び微量要素が1/2のMurashige and Skoog(1/2MS)培地、塩化カルシウム濃度2倍、30 g L-1ショ糖の寒天培地(寒天0.7%、30 mL/100 mLフラスコ、1外植片/フラスコ)に植え付けた。初代培養誘導に対する、種々濃度のIAA(0.0, 0.1、0.3及び0.5 mg L-1)と1 mg L-1 BA及び0.5 mg L-1 GA3の組み合わせの効果を調べた。0.1 mg L-1 IAA + 1 mg
L-1 BA + 0.5 mg L-1 GA3で最も高いシュート誘導率(92.8%)、形成シュート数(2.13)、シュート長(4.2 cm)と最も低い黄色茎頂率(17.43%)が得られた。 |
シュート増殖 | 初期培養物を誘導後、カイネチン(KT:0.5 mg L-1)と共に添加したBA (0.5, 1.0, 1.5 and 2.0 mg L-1)の腋芽誘導に対する効果を調べた。腋芽誘導は高濃度のBA (2.0 mg L-1)が良好であった。腋芽増殖に対するオーキシン (IAA, IBA, NAA)の効果を調べた。オーキシンの培地への添加は無添加に比べてシュートのガラス化を誘起した。最も高い増殖率(2.40)と最も低いガラス化率(7.01%)は、オーキシン無添加培地 (0.2 mg L-1 BA + 0.1 mg L-1 GA3)で得られた。低濃度のBA(0.2 mgL-1)添加であってもマイクロシュートのガラス化が生じた。ガラス化したマイクロシュートは、正常シュートには回復せず、増殖率も低下した。ガラス化はBA添加と強い関連があり、低濃度(0.2 mgL-1)であってもガラス化したマイクロシュートの生育に良い影響は及ぼさなかった。活性炭(3 gL-1)を含む培地での短期間(15-20日)の培養、培地からの硝酸アンモニウムの除去、培地中のカルシウムイオンの2倍化、培地からのBA除去は、ガラス化したマイクロシュートの回復に有効であった。 |
発根 | |
馴化条件 | |
鉢上げ・定植 | |
栽培条件 | |
再生植物体の形質 | |
分析した成分 | |
成分の抽出法 | |
分析法 | |
備考 | |